Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

テロリズムとの対峙から逃げる 日本の死刑廃止勢力 (前)

2018-07-07 14:18:16 | 社会・経済

西日本をメインとする大雨は、数十年に一度レベルの特別警報発令を要する 深刻な状況になっている様だ。既に犠牲と行方不明は数十人規模に達し、土砂災害による建物倒壊、増水などによる橋流失や道路、鉄道の寸断、港や空港閉鎖に伴う航空機・船舶の欠航も多々あろう。今は一言の弔意とお見舞いを申すと共に、道府県知事レベル経由での、自衛隊による救援、復旧業務が円滑に行われる事をお祈りしたい。自然の脅威を舐めていてはいけない。今は影響の小さい当地も、いつ既被災地の様になりかねないとの 適度の自覚と緊張をもって、此度の大雨と向き合わねばとも思う所。

さて本題。決して この災害のタイミングに合わせたとは思いたくないのだが(野党勢力やそのシンパ勢の中には、これを行ったのではという疑念を呈する向き有)、かねて死刑が確定していた、前世紀末の平成初期をメインに、悪名高い東京都内地下鉄毒物(サリン)殺傷事件や、坂本 堤弁護士一家殺害事件などを立て続けに生じた、元オウム真理教幹部衆、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚以下 6名に、刑の執行が下された。まずは、この事実を厳粛に受け止めたい。その上で、この事実を同様に受け止めた劇画作家 小林よしのりさんと、一連のオウム事件や問題を、初期から追われた報道家 江川紹子さんの声を少し引用して見て参ろうと思う。

「松本智津夫ら幹部の死刑執行 よくやった」

(麻原彰晃こと)松本智津夫死刑囚ら計 7人が死刑執行というニュースが飛び込んできた。

上川陽子法務大臣と法務省はよくやった。立派だ。どんな批判があっても、わしは擁護する。公安警察は 徹底的に警戒してくれ。頼むぞ。

某誌で立憲的改憲シリーズを続けていたが、中止だ。ただちに「松本ら死刑執行シリーズ」を描かねばならない。

言いたいことが多すぎる。何回か描かねばならないだろう。

わしが、某誌とケンカして連載を止め、再び戻ってきたら この死刑執行だ。タイミングが良すぎる。誌上で決着をつけねばならない。

昔の読者もいるだろうが、新しい読者もいるだろう。中には オウム事件を知らない若者もいるかもしれない。

両方に「何が起こったのか?」「理由は何だったのか?」が分かるように描くつもりだ。

この問題が、現代に投げかける問題についても 整理しなければならない。(小林さんの見解 ここまで。一時「変節か?」とも思わされたが、同氏の思考はブレておらず、一安心) 

「麻原 弟子と同時死刑執行で『神格化』の恐れ 今後の影響を懸念」

(麻原こと)松本死刑囚の精神状態を問題視する人もいるが、彼は自分の裁判では 意味不明なことを呟いたり 居眠りをしたりする一方、弟子たちの裁判に証人として呼ばれた時には「嘘をつかない」という宣誓の意味を理解した上でこれを拒否するなど、自身を防御する合理的な行動を取っていた。

事件に真摯に向き合わず、事実を語らないのは 彼自身の意思に基づくもの、とした裁判所の判断は納得できる。

ただ (麻原)教祖との関係が特に濃密で、教団省庁制の"大臣"を務めた、井上死刑囚ら 6人を選んで同時執行したのは残念だった。(オウム教団から分かれた)今の教団が「尊師と一緒に転生した高弟」として 彼らを神格化する物語をつくり上げ、教祖への忠誠心を煽ることに利用されるのでは、と懸念する。(以下略、江川さんの見解 ここまで。長年の取材に基づく情報力、説得力は流石。一礼ものだ)

 ここまで拝見した所では、微妙な差こそあれ、お二方のご見解は 大筋で方向が一致し、拙者も尊重するものだ。ここで注意すべきと思われるのは、特に 10人以上の犠牲と重篤を含め 数千人もの傷害を生じた、地下鉄サリン事件が、結果として 我国の独立、尊厳、国内の安全自体を脅かす 事実上の対国家テロだったという事だ。今回は、某民放 TV番組に、やはりオウム真理教問題を手掛けた 有田芳生(ありた・よしふ)参議の姿も見られたが、予想通り、江川さんを下回る質の 政局絡み見解だったので、取り上げは遠慮した。今年複数生じた 女子児童暴行殺人などに見られる様に、一度凶悪事件が生じ、量刑が死刑レベルともなると 毎回登場し騒ぎ立てるのが、ご存知死刑廃止市民勢力並びに弁護士勢力、所謂人権派勢力だ。

事ある毎に「死刑廃止は人類の理想」などと意味不明な言葉を弄して、結局は凶悪事件被告側の肩ばかり持つ印象のこの連中、同様に 海外からもしばしば寄せられる抗議声明と、どう違うのか 少し考えてみた。今回拙記事はその前編として、死刑廃止勢力が、オウム一派が生じた様なテロ事件に対するには、どんな不良があるのかを見て参り、近日の後編では、今日明日は不可としても、将来の死刑廃止に道を繋ぐ為に必要な事共を、少し考えてみる事にしたい。又も引用で恐縮だが、ネットで拝見した、興味深い記事を見ながらという事で・・

[死刑廃止勢力を黙らせる反論例 その 1]→「廃止勢力(主力は、日本弁護士連合会主流派)の言い分~世界的には、死刑制度は廃止に向かっているとする」

世界の人口に占める 死刑存廃状況(2008=平成20年度)では、死刑存置国の人口は 68.5%であるのに対し、死刑廃止国の人口は 31.5%に留まる。死刑制度廃止の国数は、以前に比して一定は増えたかも知れないが、近年は逆に「事実上の死刑廃止国」→「死刑存置国」に移った数が増えている。([死刑制度と死刑存置の考察]より)

そして、何より重要なことは、死刑を廃止したのは 殆どがキリスト教国家であり、同教国家以外の大半の国々では死刑を存置しており、決して「世界的には死刑制度が廃止に向かう」とは言えない事。→この事から、拙者は「死刑廃止は世界の潮流」なる主張は、廃止国家の数だけに依拠した、日弁連主流派初め、朝日新聞勢力を含む 日弁連シンパの共作による印象操作と見るものだ。所謂「士族」など、社会的立場がある向きの主張は、国民市民から「正論」として真に受けられ易い。この主張は、そうした効果を狙ったとも言えないだろうか。又、日本及び日本人に、キリスト教的倫理観は向かない所あるのも、留意すべきと心得る。

[死刑廃止勢力を黙らせる反論例 その 2]→「廃止勢力の言い分~死刑に凶悪犯罪の抑止効果はないとする」

「全くなし」は間違い。凶悪犯罪、特に殺人事件に対する、死刑による抑止力が 少なくとも一定ある事は実証済み。まず カナダ国では 1966=昭和41年 (警察官及び刑務官殺害罪を除いた) 一般殺人罪について死刑を廃止したが、同国における同年の殺人事件発生件数は 250件 (同年の、同国人口 10万人当たりの殺人事件発生率は 1.25件)。ところが、死刑制度の廃止後は殺人事件が急増、9年後の 1975=昭和50年には 殺人事件発生件数が 701件と 3倍近くにまで増加した(同年の人口 10万人当たりの殺人事件発生率は 3.03件)。又 米合衆国においても学者らの調査により、死刑制度に殺人事件の抑止効果がある事が明白になっている。

[死刑は犯罪抑止に効果あり~各種調査が証明] 2007=平成19年 6/11 付 U.S.Frontline (一部抜粋) AP通信によると、ネイシ・モカン コロラド大教授(経済学)らが 2003=平成15年にデータを分析し 2006=銅18年に同じ調査を見直した結果、死刑を 1件執行する毎に殺人被害者が 5人減り、逆に死刑を 1回減刑する毎に同被害者が 5人増えることが分かった。2001=平成13年以降、死刑の犯罪抑止効果について 数十件の研究が行われているが、いずれも死刑には犯罪抑止効果があると結論している。研究者はそれぞれ 年毎 又は州、郡毎に分けたり、地域の失業率、人口 1人当たりの収入など 様々な間接要因も考慮しながら死刑の効果を解明しようとしている。

更に上記の U.S.Frontline の記事の最後に「死刑を迅速に執行するほど犯罪抑止効果は高い。死刑囚が監房で過ごす期間が 2.75年短縮される毎に 殺人事件 1件防止できる (2004=平成16年、エモリー大調べ) という調査結果すら出ており、迅速な死刑執行は 凶悪犯罪の抑止力になる事を証明している。(引用ここまで)

以上の事共から、死刑廃止勢力の不良姿勢は 一定でも垣間見えた様な気がする所。拙者も、日弁連会長見解にある様な、全死刑即時停止と 速やかな死刑廃止の方向は支持できないが、将来の課題とする事には吝(やぶさ)かでない所もあるという事で、続く後編で その辺りを見て参りたく思う。今回画像は、先年訪れた 新潟県柏崎市内の日本海岸を行く JR信越線の様子を。尚、以下に 江川紹子さんの、関連記事をリンク致します。https://news.goo.ne.jp/article/sponichi/nation/sponichi-spngoo-20180707-0049.html


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝日新聞凋落は 本当らしい... | トップ | テロリズムとの対峙から逃げ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (のん子)
2018-07-07 23:25:38
日本は法治国家です。
そこで長期の裁判をした上での死刑判決。

それを実行したまでのことです。

他国にいろいろ言われる筋合いはありません。
って言うか、安倍さん憎しの左翼が利用しているだけだと思います。


海岸線を走る電車は爽やかな感じですね。
因縁の海辺です (HAKASE(jnkt32))
2018-07-07 23:55:45
のん子さん、今回もご見解を有難うございます。

本当に仰る通りで、オウム上層部の裁判~死刑執行までの
流れは、拙者も法律通りに実行されたと心得ます。

貴記事の有田参議は、初めは江川さんに近い 割合健全な路線だったらしいですが、途中から左派寄りに変節した
様に聞いており、まあ信頼のない人物の様ですね。

安倍総理も 難しい諸事で大変な様ですが、ここはよくや
られたなと思いますね。西日本の大水害にも、早目の手当てをお願いしたい所です。まずは お礼まで。
Unknown (しゃちくん)
2018-07-10 15:17:22
地下鉄サリン事件の発生した直後の車両に妹が乗車しておりました。電車が止まってしまい会社まで歩いて行ったそうです。
当時は携帯電話が普及してなかったのでテレビニュースを観た母が妹の安否確認の為にパニックになってましたよ。

死刑制度に反対するのはきれいごとでしょう。突然、身近な人が犯罪に巻き込まれたら犯人に対して憎悪の念を抱きます。
まず、犠牲被害の方々に寄り添うべき (HAKASE(jnkt32))
2018-07-10 19:34:54
しゃちくんさんも、ご見解に感謝です。妹君は、大変な
経験をされたと心得ます。改めて、お見舞いを・・。

他の各位のお言葉にもある様に、旧オウム教団が起
こした地下鉄サリン事件は、テロ事件として認識されるべき。

犠牲被害多数を生じた 重い罪責もさる事ながら、こ
れからの我国は、従来の刑罰観では、テロ行為を防げ
ないとの認識を持つべきでしょう。

ご見解の最後「死刑制度に反対するのはきれいごと。
突然、身近な人が巻き込まれたら、犯人に対して憎悪
の念を抱きます」 は、我々が当然共有すべき観念でしょう。

何よりも、我国は法治国家。刑罰だって「罪刑法定主義」
によっているのです。EU加盟国が廃止したからって、
追従の必要はないはず。まずは、お礼まで。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会・経済」カテゴリの最新記事