Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

絶対に軽く見てはいけない 文化財損壊

2018-08-28 20:47:26 | 社会・経済

人気アニメーション・ドラマ「ちびまる子ちゃん」の原作で知られる漫画家・さくらももこさんが急逝された。このドラマは、同女史の自伝的な所も大きく、又 笑いの中に「家族とは、人の繋がりとは何か」を読者に考えさせる上で、故・長谷川マチ子さんの「サザエさん」と双璧をなす名作だったと心得る。拙地元近郊の岐阜県郡上市のキャラクター制作にも関与され、当地の文化面にも縁のある方だっただけに、突然の訃報は惜しまれてならない。心からの弔意を表す次第。

本題です。今や漫画やアニメーションも、良質なそれは大いなる文化だが、今 重文などの歴史的遺構が大きく損傷される犯罪行為が増えているという。先週末、某外泊先で、かねて不評の朝日新聞を無料で入手する機会を得たが、目を通すと たまには有用な記事が載る事もあるものだ。本来は有料だから当然なのだが、以下引用して この問題を見て参ろうと思う。

「消えゆく文化財~放火・落書き 価値損なう」

建造物などの文化財を 故意に傷つける犯罪が増えている。国宝や重要文化財に限っても、すべてを無に帰しかねない放火は 数年に一度起きており、建造物は監視が必要な範囲が広く、関係者は対策に頭を悩ませている。文化庁によると 2000=平成12~2017=同29年度、国宝と重文の 建造物への被害は、放火 4件、落書き 64件、液体散布 36件の計 104件。最近三年間だけで 55件と半数を超える。

吉志部神社(きしべ・じんじゃ=大阪府吹田市)で 2008=平成20年 5/23未明 放火事件が発生。重文の本殿を焼失させた。神を祀る部屋が七つある 全国でも珍しい「七間社(ななけんしゃ)」という構造。寄付を含む数億円で 三年をかけて再建した。「祈りの場で 人を疑いたくない」と置いていなかった防犯カメラも設置した。重文指定は解除され、すべて自費。奥田哲夫宮司は「地域の信仰の場を 再び失うわれにはいかない」と語る。

平家物語ゆかりの尼寺、京都・大原の寂光院も 2000=平成12年、本殿が放火で全焼した。重文の本尊 木造地蔵菩薩立像が焼損、真っ黒に炭化した。約二年をかけ、樹脂を染み込ませる修復を施した。鎌倉彫刻の特徴がわかる原形をとどめ、像内で多くが無事だった 三千体以上の小地蔵像なども合わせて現在も重文。新たに建設した、耐火性の収蔵庫に保管されている。

落書きや液体散布も、文化財の価値を大きく損なう。落書きで削られた土塀や木壁の修復には全体を取り換えなければならず、木材に染み込んだ油の除去には時間や多額の費用がかかる場合もある。

[防犯カメラ限界]長野・善光寺では昨年、国宝の本堂などで白い×印の落書きが 100箇所以上見つかった。液体散布は 2015=平成27年に相次いだ。奈良県では桜井市・長谷寺など 8棟の国宝と 15棟の重文を含む 国と県の指定文化財 26棟が被害に遭った。県は 2015=平成27年度に防犯カメラなどを設置する独自の補助制度を始めた。文化庁も、全国の寺社などに注意喚起した。

だが奈良・興福寺で 2016=平成28年、十数箇所に液体をかけられた。近隣の被害を受けて監視員を増やし、18台ある監視カメラの解像度を上げたばかりだった。約 25000坪の境内に 夜間も自由に出入りできる寺にで、辻 明俊執事は「完璧な監視は無理。一瞬でできる犯罪を防ぐのは限度がある」今年 6月に成立した改正文化財保護法では、国宝や重文を傷つける行為への 罰則の上限を 30万円から 100万円に引き上げた。文化財への犯罪に詳しい中谷友樹・東北大教授は「文化庁だけでなく、警察庁、自治体、専門家が連携して被害実態や件数を共有し、把握する仕組みをつくるべき。それが犯罪の予防や対策にも繋がる」と指摘する。(引用ここまで)

文化財被害は、この他 野生動物によるものも相当数に及ぶが、恐れながら今回は割愛させて頂く。簡単に規模に触れておくと 2002=平成14~2017=同 29年度の 野生動物によると思われる被害件数は 131件。やはり、ここ数年での被害増が目立つ様だ。過日、朝日新聞自体も 当時の関係者による 南方海中のサンゴ礁損傷事件などを起こしているだけに、所謂「おまいう」のイメージも付き纏いはするが、とりあえずこうした問題、記事で提起した事自体は 一定評価するものだ。

ただ、そうする以上は 最近の我国文化財の損傷事件は、同時期に急増した外国人旅行者の動向と無関係ではない事、旅行者の全てではないが、一部の不心得者共が関与した疑いが強くある事。又、放火や悪質な落書き、油脂散布などは 単なる悪戯レベルを超え、かねて指摘される、キリスト・イスラムなど他宗派、或いは容共左派などの過激勢力による 思想的・宗教的確信犯の線も大きくある事にも踏み込むべきだったろう。それをしないのが朝日新聞らしいが、例によって、日本国憲法第 20条などに定める「思想信条、信教の自由」への忖度が大きくあるのだろう。

とに角、国宝、重文など 我国の文化財を取り巻く局面(フェーズ)は、昨今の外国人旅行者の大幅増などにより、大きく変わったと拙者などは心得る。それに乗じての、地下に潜った極左過激勢力などによる 大規模な放火事件再発の可能性もあろう。中谷東北大教授の問題提起はその通りだが、それを推し進めて、関係各位で共有できる様、過去生じた被害実態や件数規模などの ITによるデータ・ベース化を早期に進め、事態の深刻さに対する認識をも共有できる様にすべき。その上で、得られた情報を、要秘密箇所以外は積極的に国民市民向けに公開し、文化財を守る啓蒙に資すべきだ。

今回取り上げた 遺憾な事件の減少抑止も、結局は 国民市民各自の意識を変える事に尽きるだろう。文化財の保全には、血税からの相応の予算も付されているのだ。罰則強化もそれは必要だろうが、外国人による犯罪の場合、出国後は立件すら困難だと聞く。その方の法整備も急ぐ必要がありはしないかと心得る。今回画像は、そうした文化財の聖地でもある 古都京都の中心部を行く、京福電鉄嵐山線の模様。地元各位からは「嵐電(らんでん)と呼ばれ、日々の足として親しまれている模様。勿論、旅行者の心強い味方でもありまして。

コメント (2)
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