Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

「原子力発電」永続は断念を

2014-10-26 14:31:22 | 日記・エッセイ・コラム
海の向こう、北米大陸よりは、この所、加州や米合衆国の国会や都市部を標的にした、イスラム過激勢力に触発されたと見られる、複数回の銃撃などのテロ行為の報が聞こえて来る。アフリカ西部に端を発した、エボラ熱の国際的伝染も懸念されるが、この中東シリア国辺りの政情不安を原因とする暴力事件の国際的広がりの問題にも留意する必要があろう。所謂「イスラム国」と称する過激勢力には、我国よりも合流を意図する動きがあったとされ、先日の事件では、複数の警備担当の方々が落命され、重篤な負傷の方もある。一言、弔意とお見舞いを申し上げておきたい。

さて、こうした芳しからぬ動きとも少し関連するのだが、今日の地元紙 C新聞に、原子力発電が結局は高くつく事が指摘されていた。この記事を引用し、発電コストと保安面の問題を少し見て参りたい。

『原発は割高』日本も認めよ

日本では長らく「原子力発電は安い電源」と言われて来たが、万一、事故が起きた場合の被害の大きさを考えれば割高であることが見えて来た。英国で新しい原発を建てようとしたところ、日本政府が言うような安いコストでは不可能なことが鮮明になった。現地を調査した富士通総研の高橋 洋主任研究員に話を聞きながら、本当の原発のコストについて考えた。

原発推進国

「少なくとも1kw/h当り8.9円」。これが日本政府が公式に示す原発のコストだ。建設費や維持費、廃炉、使用済み核燃料の処分、事故時の賠償費用など必要とされる経費を積み上げて、1kw/hの電気を作るコストを弾いた。
しかし高橋さんは「英国で原発を新設する発電会社の収入を保証する制度を導入し、原発がビジネスとして成り立つ価格を決めたところ、約15.7円。日本のほぼ1.7倍だった」と明かす。
収入保証は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーにも適用され、単価は原発とほぼ同じ。だが、再生エネの保証期間は15年で終わるのに対し、原発だけは35年間と超長期の優遇策が設けられた。
高橋さんは「原発推進の英国でさえ、高コストの原発は手厚く保護しないと誰もやってくれないと言うことだ」と指摘した。

高いリスク

英政府が原発の保護策を決めた背景には、電力自由化がある。英政府は1990=平成2年に家庭や企業が電力会社を選べるよう自由化。その際、原発は原発専門の発電会社として独立させたが、料金競争で割安なガス火力に押され、経営が行き詰った。
英政府はCO2削減策として再生エネや原発推進を掲げたが、原発に手を出す英企業はゼロ。政府が高額の収入保証をすることで、ようやく仏電力公社EDFの子会社と中国企業が英南西部サマセット州にある「ヒンクリーポイントC」原発2基の新設を請け負うことになった。
新設計画には当初、英企業も参加し日本円換算で数百億を投資したが、それを捨てて撤退。高橋さんが現地で理由を聞くと、担当者は「日本・福島の原発事故後で安全策が強化され、コスト高、リスク高になり、参入は危ないと判断した」と答えたという。
1基当り数千億円とされた原発の建設費は福島事故後、ヒンクリーポイントC原発で1兆円以上に高騰。「万一の事故リスクがとてつもなく巨額なものと分った。従来のコストでは危なくて手は出せないという認識が広まった」と同氏は言う。

議論回避

日本でも2016=平成28年から電力自由化が始まると、原発を持つ電力会社の経営が行き詰る恐れがあるとして、経産省は英国の収入保証などを参考に支援策の拡充を検討している。
高橋さんは、再稼働はある程度やむを得ないという立場だが「政府も原発が割高なことは分っているはずだ。幾らかかるかのコストを明らかにしないで、支援策だけを決めるのは筋が通らない」と批判する。
現在の政府の試算は、福島事故の損害賠償や、原発の新規制基準を満たすための対策費などの費用が十分に反映されていない。同氏は「コストの議論を曖昧にして、いつの間にか原発支援策が出来上がり、結局、国民が負担する仕組みだけが出来上がる恐れがある」と警戒する。

高橋さんの、原発コストについてのこのご見解は、相当に信憑性が高いだろう。最低でも「A」、まあ最高ランクの「AAA」を差し上げても良い位。
これまで我国は、欧米諸国の狡い差し金もあって、中東などの紛争が起き易い地域より、極めて割高な石油エネルギーを調達させられていた。中東産油国もその事情が分っていて、我国に対しては、その余りにも大口の需要の割には、値引きには応じて来なかった。従来の「原発コストは割安」との我国政府の主張は、そうした背景が前提となっていたのだが、先年の福島における大事故発生に加え、石油エネルギーの調達事情も、シェール燃料開発に沸く米合衆国や、中東よりは割安と言われるロシア共和国辺りより、これまでより低い価格で確保できる可能性が出て来た。そうした情勢である以上、使用済み核燃料の保管処理や、使えない原子炉の廃炉処理なども加えれば、今、英国が直面している問題に、明日行き当たる事は必定だろう。

更に気になるのが、原発施設を守る保安 セキュリティの問題だ。前出の「イスラム国」による国際テロ問題に対し、我国は欧米勢と協調する姿勢を明らかにしている。その事はとりも直さず、近い将来我国の本土が、最悪の場合テロ計画の標的とされる可能性が大きくある事を意味する。それが現実となった時、テロ組織の関係連中は、原発を標的とする事が十分考えられるのだ。そうした悪夢の事態への備えを考えると、原発コストは最早「青天井」と申しても過言ではなかろう。九州、川内原発は既に再稼働へ向け準備中だし、福井、若狭湾の原発も、一部が再稼働への動きを見せているが、そうした最近の情勢も踏まえ、あくまで必要最低限の規模と期間にとどめるべき。将来へ向かっては、当然ながら全廃へ向け舵を切るべきであろう。

今回の画像は、拙居所よりも遠くない、JR名古屋駅界隈の近影であります。
コメント (2)
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