遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

遺跡好き弁護士射場守夫は現在奈良県大和高田市一法律事務所にて業務中!遺跡紹介とたまに法律や仕事のお話をいたします。

友史会9月例会(伊勢雲出川流域を歩く)

2012-09-17 19:05:18 | 日記
橿原考古学研究所有史会9月例会に行ってきました。
今回巡った遺跡はヴィジュアル的に微妙なものが多かったので、冒頭写真は伊勢街道雲出川(くもづかわ)の渡しにあった常夜灯です。

今回の例会は、近鉄大阪線を宇治山田方面に向かい、途中の伊勢中川駅を降りて行きました。私は、今回は伊勢市に泊まって翌日伊勢神宮を巡ろうと計画していたので、一泊二日の荷物を持って来ていました。
「当面必要な荷物以外はコインロッカーに預けようかな」と思いきや・・・。
「コインロッカーはありません。」「手荷物預かり所もありません。」と駅員さんににべもなく断られました。すごく冷淡だったな~(T_T)
したがって、一泊二日の荷物を背負って遺跡巡りをすることに・・・・

気を取り直して・・・伊勢中川駅に集合していきなりサプライズ。

この駅の場所は片部・貝蔵遺跡であり、墨書土器が始めて出土した場所とのこと。写真も「田」の文字が書かれていますよね。
次に西山1号墳。

4世紀前半の前方後方墳と考えられています。その後、三重県農業研究所にお邪魔して三重県がどれだけすごいかという話をいただきました。「ピーマン」の名前を流通させたのは三重県だそうで、茶畑の防霜ファン(茶畑の上数メートルの上から下に風を送ることで霜を降りなくさせる装置。)を作ったのも三重県、いちごの高設栽培(腰を曲げなくても収穫できる。)を始めたのも三重県だそうです。
三重県人すごいよ!!

次に筋違遺跡(すじかいいせき)です。これは弥生時代の住居跡と水田跡がセットで発見された珍しい遺跡です。
向かう途中こんな感じの平地を歩いたのですが、とにかく風が強い。

お話によると、この地域は地形のせいで常に風が強いとのこと。
筋違遺跡到着。しかし、

ご覧の通り、特に何もなし。仕方ないのでご近所で植えられていた花を撮りました。へたくそですが。

次は、弥生から古墳時代にかけての遺跡、西肥留遺跡(にしひるいせき)です。ここでは、弥生時代の井戸から鞴羽口(ふいごはぐち。ふいごから風を吹き込む部品。)が出ており、金属器生産が行われたようです。

松浦武四郎記念館。

江戸末期の人で、蝦夷地を6回探検し、正確な北海道の地図を作り、アイヌの人たちがつけた土地の名前を9000個以上記録したり、当時の松前藩が行ったアイヌに対する収奪の様を細かく記録して幕府に告発しようとしたようです。しかし、このルポが公表されるのは、明治末期、本人が逝去された後でした。アイヌの人々に対する収奪は明治になってからも続きました。

そこから、伊勢街道を通って雲出島貫遺跡へ。しかし、この途中が本日は最もおもしろかったです。街道沿いの民家を見てみると、どれもこれも「屋号」を表札みたいに出しているのです。

「油屋」「鶴屋」。油屋は普通の民家ですね。鶴屋は以前商売をしていらっしゃったみたいですが、現在はされていない様子。

「柿友」。今は自転車屋さんのようですが、以前はなんの商売をしていたのでしょう?想像しただけで楽しくなります(^_^)

「カフェ跡」??なんと伊勢街道にカフェーがあったのか?カフェーが日本に入ってきたのはどうも明治末ころのようです。法律を勉強している人なら誰でも知っている「カフェー丸玉女給事件」は昭和10年の大審院判決ですから、意外に古いカフェーの歴史。このころまでは伊勢街道は残っていたんですね~~~。
にしても、「跡」って何?
自分の店に「跡」って付ける店主なんているんでしょうか?
最初から負けてるみたいじゃないですか?


左、「ふろ屋」って、今は食料品店ですけど。
右、これはすごい「床良」(とこりょう)。現在も床屋さん!!
すごいすごい!
もう、すっごくたのしいです(^^)/

さらに歩くと先ほどの松浦武四郎生家。伊勢街道沿いにあったんですね。

本日最高に盛り上がった場所でした。

伊勢街道を北抜けると雲出川に出ます。

さらに雲出橋を渡ると雲出島貫遺跡。

ここは、縄文から江戸時代まで断続的に続いた遺跡ですが、とりわけ弥生時代に着目すると、ここから関東、近畿の土器が多量に出土しているとのこと。外来系の土器の出土は、纒向遺跡が有名ですが、他の地域にも多かれ少なかれあるようですね。

最後に木造赤坂遺跡。縄文から室町時代まで続く遺跡です。古墳時代中期から後期の住居跡が見つかり、陶質土器(高温で焼いた土器。http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/bunkazai/da/item/detail.asp?wag=6&prePageNum=2&mngnum=0000914)(三重県の文化財に指定されている。)、水晶製の経軸(7角柱の軸状の物)、滑石製鍋が出土しています。

この日は時々雨が落ちるあいにくの天候。一泊二日の荷物が重たい行程でしたが。伊勢街道を見れただけでもよかったよかった。

次は伊勢神宮外宮(げぐう)です。



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