遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

遺跡好き弁護士射場守夫は現在奈良県大和高田市一法律事務所にて業務中!遺跡紹介とたまに法律や仕事のお話をいたします。

吉備姫王墓(きびひめのみこのはか)と猿石

2012-09-29 21:32:43 | 日記
長いこと伊勢方面を書いてきましたが、実は明日香村巡りの途中だったんです。
そういうわけで、本日は吉備姫王墓のお話。
記録によると9月14日に梅山古墳(伝欽明天皇陵)のお話をしましたが、吉備姫王墓は梅山古墳の前方部の先(西)すぐのところにあります。

吉備姫王は、欽明天皇の孫らしい。あまり信じていませんが、それぞれの被葬者を額面通り受け取ったら、吉備姫王はおじいさんのお墓のすぐそばに葬られたことになります。それってアリなんですかね?
梅山古墳を見た後、直ちに吉備姫王墓の前へ。

相変わらず、写真を斜めにとってしまうクセはどうにかならんものですかね?

この古墳は小さな円墳で、中にも入れないし取り立ててどうということもないのですが、猿石は一見の価値有りですね。
猿石は、吉備姫王墓の柵の中に4体並べられており、猿と言うよりは人を象ったもののようです。
まずは向かって一番左の「女」

光の加減や石に着いた汚れのために表情がわかりにくいですが、にこやかに笑っています。しかも、顔がほぼ平面になっていて漫画的な表現です。

左から2番目の「山王権現」(もしくは「山王権化」。人によって表記が分かれています。)

さっきの「女」もそうですが、裸です。この方も、すごく大きな口をV字型にして笑っており、自然界では存在しない表情です。

3番目の「法師」です。

この方は前髪を切りそろえておられる。体育座りで眉間にしわをよせて口を真一文字に結んでいます。気むずかしそうな方ですね。

4番目は「男」です。

ネーミングとは裏腹にそれほど男臭くありません。頭には烏帽子のようなものをかぶってにこにこしながら揉み手(?)でしょうか。この人も下半身丸出しのようで、ここだけはなんだか男を妙に強調しています。
っていうか、他の方々も同じですけど・・・・

これら猿石は、江戸時代に田んぼから掘り出され、梅山古墳の南側に置かれていたそうですが、その後現在の場所に移されたようです(ネット情報)。何時の物かは分かりませんが、同じくネット情報によると7世紀のものとのこと。
そして、現地に行っても見られないのですが、実はこれらの4体のうち3体には後ろにもでっかい顔が描かれているとのこと。
見たい~~~~~!
レプリカが奈良文化財研究所飛鳥資料館の庭にあるそうな。
今度見に行こう。

ネットで猿石皆さんの後ろ姿を見ると、いずれも鬼みたいな顔や、天狗みたいな顔です。ただし、法師さんだけは、肋骨が浮き出た背中が彫り込まれています。

猿石は渡来人を象ったものだろうという話があるみたいですが、見てのとおり現実に存在する人を象ったというよりは、人に似せた神様的なものみたいな気がします。
直感的には魔よけですね。鬼瓦とか。