遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

遺跡好き弁護士射場守夫は現在奈良県大和高田市一法律事務所にて業務中!遺跡紹介とたまに法律や仕事のお話をいたします。

伊勢神宮外宮(げぐう)その2

2012-09-20 22:41:33 | 日記
夕暮れ時の外宮巡りその2です。
伊勢神宮の外宮には「別宮」といって他の神様を祀っている社がいくつかあります。今回は、土宮、風宮、多賀宮を回ってきました。そして、最後に番外編でのうれしくないサプライズが・・・

正宮を離れて、池を渡って右を見ると、別宮「土宮」があります。別宮というのは正宮に次いで地位が高いという意味だそうです。
土宮左斜め前から。

正面から。

土宮は、在地の土地の神様である大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)を祀った社だそうです。
ご覧の通り、掘っ立て柱建築です。敷地には白い砂利を敷き詰めています。

土宮から振り返って進むと同じく別宮の「風宮」です。

奥の本殿は檜皮葺のようですが、本殿に造り付けられた拝殿は板葺きです。少しは日当たりがいいのか、正宮に比べて苔むしていませんね。
正面から

風宮は、「級長津彦命」(しなつひこのみこと)と「級長戸辺命」(しなとべのみこと)というらしい。多分風の神様だろう。
元々は、水田耕作などに都合のよい適度な雨を降らせる神様だったようですが、元寇の際には祈祷によって元の船団が退却したため、神風を吹かせる神様になったそうな。
というわけで、幕末の黒船など、こわーい外国船が日本周辺海域をうろつき始めたときには、攘夷の祈願を15日間行ったようです。しかし、黒船が台風で退却したという話は聞かないので、多分空振りに終わったのでしょう。
打率5割ですな。結構高い(^_^;)

そして、少し山を登ったところにあるのが「多賀宮」(たかのみや)です。

多賀宮は別宮の中でも一段位が高いそうで、正宮についで厚遇されているようです。「多賀」というのもやたらとめでたい漢字を使っていますしね。ここも、他の別宮同様掘っ立て柱建築で、白い砂利が敷き詰められています。
多賀宮を後ろにすると、建設工事の足場がありました。そこに「おやっ」と思う光景が・・・

足場から木が生えている・・・ように見える。
さらに近づくと、

木を切ったり、折ったりしないように足場に穴を開けて木を通しているのです。ちょっと驚きです。多分神社から木を折らないよう指示されているのでしょう。

ところで、別宮に敷き詰められていた白砂利を見て、前回の謎のしめ縄が少し理解できたように思います。
前回しめ縄に囲まれた不思議な敷石の写真をお見せしました。これです。

これって、この別宮の白砂利と似ていませんか?
そこで、仮説。
①以前はそこに別宮ほどでもない社が建っていたが、現在朽ち果てて敷地が神様の名残として残っている。
②実はそこに新しい神様が鎮座しようとしていて、あと何十年何百年かするとそこに社が建つ。
③そこは、神様の仮設の休憩所である。いつもそこに神様がいる訳じゃないから社はない。
④神様は神様でも実は大変困った招かざる神様がそこにいる。そんな神様だから社はないし、敷地も中途半端である。
いずれにせよ、しめ縄している以上は、神様関連の施設なんですよね。誰か知っている人教えてくれないかな?
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というわけで、夕暮れ時の外宮巡りが一段落して帰ろうと思ったときには日もとっぷりと暮れてしまいました。
ついでにどこかで晩ご飯を食べて帰ろうと思って見るとあちこちに「名物伊勢うどん」というのぼりがあるじゃないですか!
「へ~、ここはうどんが名物なんだ?」って思って、あるお店に入りました。
「以前高松に行ったときの讃岐うどんはうまかったな~~」とか思いつつ。

メニューを見るとどれも2000~3000円の高いものばかり。うどんを食べに来たんだからそんなものは要りません。
「冷たいうどんありますか?」とご年配の店主さんに聞くと「600円ね。」と。それで、冷たいうどんを注文しました。

他にお客もいなかったのですが、ずいぶん待って、ようやく来たと思ったら、やけにシンプル。皿の上に氷とうどんが載って、めんつゆが付いているだけ。あと、3きれほどのトマト。
なんだか嫌な予感がしつつ、それでも食べました。

び~~っくり!?
感心するほどまずい!? うどんゆですぎで溶けかかっているし。うどんが途中で何本かにさけてるし。食べてるとなんか苦いし。
そこで、はっと思い出したのが、出雲大社の近くでも大変まずい出雲そば屋さんがあったなと・・・。要するにお客さんがたくさん来ると店が育たない?
「お店のセレクトを間違ったかな?」と思いきや。グーグルで「伊勢うどん まずい」で検索したら出るわ出るわ!
こんなストレートな検索でもこんなに出るのね・・・

「伊勢うどん=まずい」というのが有力な説なようで。しかし、考えてみれば、「こんなにまずい名物があるんだ。」ということを体験できただけでもすごい得した気分(^^;)

「ただのおいしいもの」だったらきっとすぐに忘れられてしまうよ。
だから大丈夫!!
多分豊受大神(とようけのおおかみ。外宮の主神。天照大神の食事を作るためにいらっしゃった。)が裏技として伊勢の皆様方に伝授した方法なんですよ。
がんばれ伊勢神宮!(^^)/