Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

八月の鯨

2013-08-17 18:35:46 | 映画

    年老いた姉妹が、毎年 夏を過ごす
    アメリカ の小さな島のサマーハウス

    姉妹が若かりしころ その季節になると
    沖には、毎年 鯨がやってきていました。


    切り立った崖からの景色は
    決して鯨がみえなくても
    それは、それは素晴らしいものです

    しかし、長い年月 景色はずっと変わらなくても
    ふたりの姉妹には実に多彩な人生があったのです。

    病で目が見えなくなってから 言葉がとげとげしく、
    なってきた姉。。。対照的に、穏やかで献身的に
    姉の面倒を見ようとする妹。。。その性格は正反対です。

    ストーリーは老齢の姉妹の何気ない日常を
    丁寧に描いているのですが、
    まず、セリフの一言ひとことが、人生の重さと
    重なり合っているのです。



    長く生きれば 人間 思い出はどんどん
    増えていきます。
    その思い出を振り返りながら
    今の生き方や、残りの人生との 折り合いを
    つけていくのかもしれません



    妹が庭に咲くバラの花を摘んで
    赤いバラは情熱を、白いバラは真実を表している
    と言う、 シーンがあるのですが 
    まさにそれは、人生に大切なもの

    この二つをなくしては、生きている意味さえ見失ってしまうのかも
     しれません。。。しかし、
     70年生きようが、80年生きようが 人は迷い
     悔やみ、これでよかったのか、、、とこれからの人生を
     考えているのです。

    いつ そこに終わりが来るのかは
    誰にも分かりません。
    だからこそ 最後まで情熱と真実を持って生きていきたい
    と誰もが 願うのです。

    毎年、訪れていた鯨の群れ 
    それは 亡くなった夫であったり
    家族であったり。。。人が今までの人生の中で
    別れを余儀なくされた人々-----

    人は思い出を、こころの拠り所にしながら
    どうなるか分からない先の人生をいきていくのです。

    若い頃の様に 毎日に大きな変化は無いかもしれません。
    しかし ゆっくり流れる老いた時間を
    味わい深く生きる事がどれだけ大切か。。。。
    を 教えてくれています。。。。

    1988年に公開されて
    今年 ニュープリントでリバイバルされた本作

    二人の心の葛藤と変化を見れば
    それは決して 難しい事ではなく
    自分次第であるという事が分かります。