Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

思秋期

2013-06-28 17:30:59 | 映画

    天涯孤独、酒におぼれては暴力沙汰で
    周囲に迷惑をかけ、自暴自棄な人生をおくるジョセフ
    人生の秋を迎えようとしている
    男のどうしようもない生き方に
    初めは嫌悪感をおぼえるのですが。。。。
    ここまで人間の弱さを見せつけられると
    次第に、
    他人事ではない思いが
     身につまされてくるのです


    そう、人間は皆、弱い生き物である。と、誰もが持ち合わせている
    目を背けたくなる事実に
    向き合わなければならなくなります。

    思い通りにいかないジレンマ、
    自分の問題を他人のせいにしてしまう狡さ-----
    理想の自分に近づこうと誰もが努力しているのですが、
    それが うまくいかないところも人間のさがなのでしょうか

    そんなジョセフに手を差し伸べる、こころやさしい女性ハンナも
    実はこころに闇を抱えた一人でした。。。。


    他人に抱く、劣等感も人の弱さなら
    こうして一見癒しの存在であるハンナですら、自分と闘っている事実
    を理解するだけで、こころの置き所は変わってくるのかもしれません。

    原題である「ティラノサウルス」は
    脅威の象徴であり、滅びの代名詞であることからも
    映画の主人公自身が、ティラノサウルスでもあり
    観ている私たちも
    自分の弱さという最大の脅威と闘っている事が確認できるのです

    自分を滅ぼしてしまうのか、
    自分と向き合うのか、
    後者となる
    きっかけを作ってくれたのはやはり
    他ならぬ人であるというところが
    ささやかな、希望のヒカリなのです。。。。。