つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

こんなことが…

2011-10-27 03:48:20 | ちょっとした出来事
会社帰りの車の中、フロントガラスが濡れ始めたかと思うと、
大粒の雨が打ち始めた。

「何だいまた雨男に逆戻りか」と思ったが、このところのパターンでは、
車を降りる頃には止んでいるか、かなり小降りになっていて、辛うじて雨男を
免れることが多い。

この日も、買い物すべく寄った大型スーパーの駐車場に着いたころには
パラパラとかなり小降りになっていた。日曜日とあって広い駐車場も
混んでいる。やむなく入口からかなり遠い場所へ留めることにした。
迷わないように、方向を確認する。「丁度宝くじ売り場の正面だな…」と
覚えて、スーパーへ入った。

買い物を済ませ、スーパーを出てきて、駐車場の自分の車の位置を確認する。
「宝くじ売り場の真正面…」と、宝くじ売り場まで行って、真っ直ぐに
車に向かう。雨はほとんど止んでいる、ホッとして何気なく見上げた空に
何と虹が懸かっているではないか。それも今まで見たこともないような
鮮やかさで、クッキリと鮮明なのだ。

しばし、ボーっと眺めていたが、我に返ったようになって携帯カメラで
撮った。そしてまたまた何を思ったのか「買わなくちゃあ!」ととっさに
頭に閃き、脱兎のごとく引き換えし、宝クジ売り場へと向かったのである。

同じように思った人たちがいたのか、すでに2組のカップルが宝クジ売り場に
いて、何やら鉛筆のようなもので書いたり、こすったりしている。
売り場の女性に、「ください!」とわたしが言うと、ロトシックスですか?
それとも○×▼ですか?それとも200円のですか?」と言うので、
何も頭に浮かばず、「普通の宝くじください!」と言い放ったのである。

「当たりますように」例のくじ売り場の女性の声を背に宝くじを握りしめた。

わたしは正直宝くじなるものは、好きではないのだ。あの外れた時の砂をかむような
虚しさは、自分に湧いた俄欲が天にあざ笑われているようなみじめさを
感じるのである。しかし買わなければ決して当たらないという煩悩を試すがごとき
悪魔の罠にも似た仕掛けに、腹立たしさすら覚えるのだ。「そんな手にのるか」
と思いつつも、わかっちゃいるけど人間の哀しさで、もうこんな時は買うしかない
という閃きがあったときは、悪魔にチャレンジしようという覚悟は持っていたのだ。

今、そのチャレンジすべき時と思ったのである。

車に向かいつつ再び虹を見ると、変わりなく鮮やかに懸かっていた。「エ!」
しかし、よく見ると、な何ともう一つ虹が懸かっているではないか。
クッキリした虹を囲むようにもう一つうっすらと虹が見えるのだ。我が人生に
おいて初めての光景であった。

携帯に写し取ると、「ウンやっぱりチャレンジするべき時だったのだ」と
納得しつつ、帰路についた。
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