風鈴に顔をひらたくねむりたる 成田一子
「風鈴に」の「に」の方向性に、風鈴と作者の位置関係が見えてくる。風鈴の鳴る方向に、顔を横向きに眠っているのである。それを、「顔をひたらく」というのだ。机に頬をぺたりと乗せて寝ている様が容易に想像できる。「ひらたく」眠る姿は、無防備で平和そのものの。風鈴の鳴る懐かしい昭和がふと蘇って来た。「滝」8月号〈飛沫抄〉より抄出。(Midori)
「風鈴に」の「に」の方向性に、風鈴と作者の位置関係が見えてくる。風鈴の鳴る方向に、顔を横向きに眠っているのである。それを、「顔をひたらく」というのだ。机に頬をぺたりと乗せて寝ている様が容易に想像できる。「ひらたく」眠る姿は、無防備で平和そのものの。風鈴の鳴る懐かしい昭和がふと蘇って来た。「滝」8月号〈飛沫抄〉より抄出。(Midori)