父祖の地や田植濁りの水匂ふ 西村孝子
「父祖の地や」の大きな切れではじまる一句である。若者が都会に出てしまう、あるいは地元にのこる若者が居ても後継者がいないことなど、よく話題にのぼる昨今、父祖の地に広がる「田植濁りの水」の匂いは、格別の感慨を覚えるものである。田植からやがて半年・・・。稲穂は花をつけ始めたが、やがて父祖の地に再びの稔りをもたらすことだろう。「田植濁りの水」という確かな写生が見事な一句。「阿蘇」9月号より抄出。(Midori)
「父祖の地や」の大きな切れではじまる一句である。若者が都会に出てしまう、あるいは地元にのこる若者が居ても後継者がいないことなど、よく話題にのぼる昨今、父祖の地に広がる「田植濁りの水」の匂いは、格別の感慨を覚えるものである。田植からやがて半年・・・。稲穂は花をつけ始めたが、やがて父祖の地に再びの稔りをもたらすことだろう。「田植濁りの水」という確かな写生が見事な一句。「阿蘇」9月号より抄出。(Midori)