石橋に石の重心ほととぎす 加藤いろは
アーチ型の石橋と言えば、熊本では何といっても山都町の通潤橋である。そのシルエットの美しさは言うまでもないが、物理的に均衡を保っている石組みには、ただ感心するばかりだ。江戸時代にあって、石工の技術の高さを誇る石橋である。さて、作者もそんな感慨を抱いたと思われる。「石橋に石の重心」と端的に捉えた視線は、詩的でもある。「ほととぎす」の季語の斡旋が、青葉若葉の瑞々しい景の広がりをもたらしている。*「阿蘇」8月号より抄出。(Midori)
アーチ型の石橋と言えば、熊本では何といっても山都町の通潤橋である。そのシルエットの美しさは言うまでもないが、物理的に均衡を保っている石組みには、ただ感心するばかりだ。江戸時代にあって、石工の技術の高さを誇る石橋である。さて、作者もそんな感慨を抱いたと思われる。「石橋に石の重心」と端的に捉えた視線は、詩的でもある。「ほととぎす」の季語の斡旋が、青葉若葉の瑞々しい景の広がりをもたらしている。*「阿蘇」8月号より抄出。(Midori)