天平の列柱ゆがむ野焼かな 遠藤玲子
巨大な礎石が並ぶ草原。礎石は、建造物の土台となったもので、かつての伽藍や政庁の規模を物語るものである。「天平の列柱」とは言え、礎石を残すのみで、現存する列柱はどこにもない。しかし、「野焼かな」と、置かれると、天平時代の華麗なる列柱が幻のように蘇ってくるから不思議である。感覚的な映像が見事な一句。「滝」7月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
巨大な礎石が並ぶ草原。礎石は、建造物の土台となったもので、かつての伽藍や政庁の規模を物語るものである。「天平の列柱」とは言え、礎石を残すのみで、現存する列柱はどこにもない。しかし、「野焼かな」と、置かれると、天平時代の華麗なる列柱が幻のように蘇ってくるから不思議である。感覚的な映像が見事な一句。「滝」7月号〈滝集〉より抄出。(Midori)