オリオン

オリオンや紅玉を割る力瘤　　　　　佐々木博子

紅玉は、林檎の一種で酸味の効いたジューシーな果物だ。
よく丸齧りして食べていた懐かしい記憶がある。
そんな紅玉を両手に持って、カパリと割って見せてくれたのだろう。
ギリシア神話の美しい狩人、オリオンの雄姿とオーバーラップしてしまう。
「紅玉」が作品のポイントとなって、迸るような生命感を覚えた。
「滝」１２月号〈滝集〉より抄出。(Midori)

賀正

目に見えているものは、物の本質の一部であり、決してすべてではなく、
いまだ、言葉を与えられていないたくさんの真実があるはずです。
それを見つけて、言葉を与えてあげること、
それが、俳句なのだと気が付きました。難しいことかもしれません。、
でも、そんな俳句の魅力に憑りつかれています。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

年越ゆる赤いドレスの裾摘まみ　　　　平川みどり