女を見連れの男を見て師走 高浜虚子
まず目に入ったのは、女性だった。その女性がどんな女性だったかは想像するしかないが、虚子は、「連れの男」も見たのだ。それは、ほとんど無意識だったかもしれないが、本能的な一瞬の値踏みもあったに違いない。こんな日常のことを、「師走」にさらりと詠む虚子の泰然自若としたさまは、まさに虚子が「虚子」たる由縁だろうか。昭和21年作。(Midori)
まず目に入ったのは、女性だった。その女性がどんな女性だったかは想像するしかないが、虚子は、「連れの男」も見たのだ。それは、ほとんど無意識だったかもしれないが、本能的な一瞬の値踏みもあったに違いない。こんな日常のことを、「師走」にさらりと詠む虚子の泰然自若としたさまは、まさに虚子が「虚子」たる由縁だろうか。昭和21年作。(Midori)