老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     露台

2019-07-26 15:02:13 | 俳句

      

 

朝起きて、一番にリビングのカーテンを開ける。

ベランダに野牡丹が綺麗に咲いている。昨日も一輪咲いた。写真を撮っておこうと思うち夕方はもうしぼんでいた。

その野牡丹、今朝も美しく咲いていた。

ベランダの真ん中のよく目立つ場所にある。向うの家から運んで来て、大切に大切に水遣りをした。

 

露台はベランダともバルコニーとも、夏の季語である。

大まかに洋風建築の台上の張出しの部分をさし、椅子やテーブルなどを据えて涼を楽しむ。「合本俳句歳時記」より。

こう読むと、昔の中流階級の別荘や高級な住宅が想像され、今のベランダの感じとは少し趣が違ってくる。

さて、その庶民の集合住宅である我が家のベランダも季語の位置をかちとっているのだ。時代の変遷で季語が単なる言葉としてしか思われぬ。

 

昔、夏の北国へ旅をした。ホテルは湖の畔にあり、そこの露台で涼しい時間を過ごしたことがある。同じホテルを夏ごと何度か訪れたが欲がなかったのか、俳句と遠ざかっていたのか詠んだ想い出がない。まな裏にその時の景が遅まきながら、今日になり想い出された。

 

           風に乗りきて綿菅の舞ふ露台

           旅ごころ湖にせり出す露台かな

           バルコニーまで遊船のさんざめき

           湖へだて向うの岸の花火かな

           メタセコイアの影落つバルコニー

           父と子に手を振る朝のバルコニー

           ラベンダー畑の起伏や雲の峰

      

説明句はいくらでもできるんだな~。

 

コメント (2)
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