羽黒蛇、大相撲について語るブログ

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2012年03月11日 | エッセイ、情報、もろもろ、相撲記事
座布団を投げてはいけない メイドカフェのメイドも知っている。羽黒蛇

文化研究の目的で、メイドカフェに入りました。
ファンシートという、会員カードを作るのに

来店日
氏名
誕生日
趣味

を記入することに。趣味に、「相撲を研究をすること」と書いたところ、メイド女子に、

変わった趣味ですね。 と言われたので、

相撲は、日本の伝統文化で、趣味として珍しいことはない、と反論。

そうではなくて、研究するというのが、変わっています。具体的には何をするのですか、と聞かれたので、

観戦したり、本を読んだり、ブログを書いたり。
ところで、相撲を見たことありますか、と聞くと

プロレスならありますけど。
そうだ。相撲では、座布団投げるの禁止になったんですよね。

よくご存じですね。あれは当たると危険なんです。特に老人は。

何故、座布団投げるんですか。

番狂わせで、観客が興奮するからですよ。
名古屋では、七月に相撲の本場所があります。
とメイドカフェのメイドに宣伝しておきました。

これから、東京に帰り、録画ビデオ観戦します。

メイドカフェというのは、お客さんと会話するのが、お仕事になっていて、
私も話題に困るので、日本人なら、誰でも知っている相撲の話題に誘導。

番狂わせという言葉が分かるのだろうかと不安を抱いた15才くらいのメイドさんでした。Ai Cafeという店。

羽黒蛇

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2012年03月11日 | 美しい立合い・立合い変化
つまらなかった相撲は、負けた力士に「もう一番相撲を取らせる」権利を与える(羽黒蛇)





相撲は立合いで勝負が決まる。


故に、少しでも有利な立合いをしようと、駆け引きが生じる。





一方、相撲の立合いには、美しさが求められる。


ファンは、「美しい立合いの、面白い相撲」にお金を払って見る。





勝とうとすると、立合いが美しくなくなる可能性がある。


相手を出し抜いて、立合いを有利にして、勝つ可能性を高めようとする力士は後をたたない。





立合いの美しさと、勝つ努力は矛盾する。


白鵬のように、圧倒的に実力が上なら、美しい立合いをして勝つことができる。


白鵬のように強い力士が、立合い変化しても非難されないのなら、時々変化して、今以上に勝率を上げることができる。


白鵬が変化しないのは、立合い変化すると非難されるからであり、立合い変化して勝ったとしても、「そんな相撲には価値がない、そんな相撲をお客さんには見せたくない」、と思っているから。





相撲とは、そもそも本質的に、美しい相撲を見せなくては興行成績が悪くなるのに、醜い立合いをした方が勝つ可能性が高くなるという矛盾をかかえている。





この問題を解決するには、立合いの失敗で負けてしまった力士に、「もう一番」チャンスを与えることである。





例えば、初場所12日目、把瑠都(11勝)に負けた稀勢の里(9勝2敗)。


変化で勝った把瑠都は悪くない。(12勝)


変化で負けた稀勢の里が悪い。(9勝3敗)


負けた稀勢の里が、「もう一番」相撲を取りたければ、「もう一番」と宣言する。


仕切り直しから、時間。もう一番相撲を取る。


把瑠都が勝ったら、12勝0敗のまま、稀勢の里は敗れて、9勝4敗(この一日で2敗)


把瑠都が負けたら、11勝1分け、稀勢の里は勝って、9勝2敗1分





何故、二回勝った把瑠都に、1勝だけとするのか。


一番目で立合い変化で勝ったから。つまり、お客さんの期待する相撲をとらなかったから。


一日で2勝しようとして、立合いの変化の相撲が増えるのを防ぐため。





立合いの変化で勝っても、


けたぐり


とったり


小手投げ


のような難しい技をかけて勝った場合には、負けた力士には「もう一番」の権利なしというのは、私の考えだが、





「一瞬のうちに勝負がついてしまった相撲は、ファンの期待に応えていないので、もう一番お見せします」という、分かりやすいルールがよいだろう。





立合い変化で勝ってしまった力士は、せっかく勝ったの「もう一番」とらなくてはならないのかと不合理に感じるだろうが、立合い変化で勝てば、二番目負けても引き分け、つまり少なくとも、負けはなくなるのだから、合理的と考える。





勝だけではだめ。お客さんを満足させなくては。





相手に立合い変化されて負けるような、技量に不足の力士は、罰として一日2敗のリスクを負わせるという考えに基づくと、「もう一番」は負けた力士の権利とするのではなく、審判が、





ただ今の一番、両者力を出し切らずに勝負がつきましたので、もう一番とらせます。





と宣言させるのが、よいかもしれない。羽黒蛇

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2012年03月10日 | 美しい立合い・立合い変化
立合い変化の相撲はつまらない。それでは、どのようなルール変更で減るのだろうか。(羽黒蛇)








表題のテーマに対する私の構想は、次回に述べるとして、本日は、朝日新聞の記事を論評する。








引用開始



3月10日朝刊スポーツ欄。



見出し:変化 把瑠都の火種



見出し:綱狙う資格ない 技量の一つ



見出し:春場所あす初日








趣旨: 初場所12日目の一番、把瑠都が立合いの変化で勝ち12勝0敗。稀勢の里9勝3敗。



放駒理事長は、「注目の相撲があれじゃ、お客さんも興醒めなんじゃないの。」



横審鶴田委員長は、「横綱を狙う資格がない。」








元大関栃東の玉ノ井親方は把瑠都を擁護して、「変化を禁じる規定はどこにもない。相手が(変化を)食うかどうかを見抜くのも技量の一つ」








大相撲を純粋に「スポーツ競技」ととらえるのなら、ルールで許されるあらゆる行為は、勝利のための「作戦」として認められるはず。








しかし、興行故に客が喜ぶ相撲を求められ、伝統文化を名乗るが故に、「正々堂々たる姿勢」が課せられている。



引用一旦終わり








玉ノ井親方の言う通り、力士に責任はない、と私は思う。



力士が勝つことに全力を尽くして、その結果相撲がつまらなくなっている。これが、立ち合いの変化なのである。



立ち合いに変化すると不利になる(勝つ可能性が減る)ようにルールを変更するしか解決策はない。








力士の自覚に訴える「正々堂々たる姿勢が課せられている。」という意見に、私は反対である。








朝日新聞の引用を続ける。東大大学院の新田教授の発言を引用した後、次のように論じている。








変化で勝った力士を非難し、負けた力士に言い訳を与えることは相撲技術の発展を阻害する、という考えだ。








変化をなくす策として、



その1:変化を食って負けた力士をメディアもファンも非難する。



その2:仕切り線をなくすなど、変化しにくいルールに変える



その3:横綱・大関とはこういう相撲を取る人物だという基準を設ける



の三点を(新田教授は)あげた。



引用終わり








その1は、ファンに、相撲のネガティブな面を強調するので、ますます相撲人気を下げてしまう心配があり、私は反対。



変化で勝った力士でなく、負けた力士が悪いという意見には賛成。








その2には、賛成。ルールの変更が、絶対に必要だ。



私は、ファンが喜ぶルールを、次回提案したい。








その3は、例えば、



立合い変化しないとか、



立合いは朝青龍のように早すぎず、相手に合せて立つ



堂々とした相撲を取るとかという基準が考えられる。








これらの基準を満たせば、6場所で66勝で横綱昇進、3場所で28勝で大関昇進。



これらの基準を満たさなければ、3場所で72勝しないと横綱に昇進させない、3場所で33勝しないと大関に昇進させない








というような、ハンディキャップなら賛成。



このような相撲を取らないと、横綱・大関に昇進させないという必要条件とするのは反対。








何故なら、強い力士は、変化すれば勝てる相撲には、体が動いて変化で勝ってしまうものだから。








羽黒蛇

北の湖理事長復帰、憂慮される相撲協会の前途 (庄内日報の記事を引用)

2012年03月09日 | 公表原稿(羽黒蛇、読者)

2012年2月



北の湖理事長復帰、

      憂慮される相撲協会の前途






尾形昌夫




日本相撲協会の理事長に北の湖理事長が再任されたニュースに驚いた。民間企業ならまだしも、財団法人でもトップに返り咲くこともあるのかと思った・


ましてや、北の湖は力士暴行事件や自分の弟子も逮捕された大麻事件などの責任をとって2008年に理事長を辞任した。昨年の八百長問題でも弟子の関与が認定されたため理事から外されたばかりである。放駒前理事長の体制になって、それらの問題がようやく一段落したと思ったらこの復活劇である。こんなことで大相撲は大丈夫なのだろうか。





以上の一文は『朝日新聞』(2012年2月9日)投書欄の「北の湖理事長復活、大丈夫か」(74歳の男性)からの引用(後段は略するが定年になる放駒理事長の続投を希望している)であるが、私も北の湖理事長の再登場にはこの投書と同じ危惧をもっている。それは一言でいえば北の湖は理事長時代(2002年2月~08年9月)に起こった数々の不祥事への対処をみても、理事長としての見識がなく統治能力に欠けていたと思うからである。


 


 華々しく登場も見るべき改革なし






北の湖が理事長に就任した今から10年前の02年当時は、若貴ブームが終わりをつげて数年後であるが、相撲人気は回復せず先任者の時津風理事長(元大関豊山)が新年会で大相撲の危機を訴えるなど、相撲界は沈滞の時代であった。このような時機の02年2月、相撲協会のプリンスといわれた48歳の若き北の湖新理事長が期待を一身に集め華々しく登場したのであった。


しかし新理事長は、「小中学生の目を相撲に向けさせたい」を人気回復への対策に挙げたが、見るべき施策はなかった。日本相撲協会が発行する『相撲手帳』(2012年版)の「大相撲略史年表」の北の湖理事長時代の記録には、海外巡業の他に「公傷制度の廃止」と「地方巡業制度を自主興行から勧進元への売り興行に変更」の二つしかない。しかし、これらの措置はかつての制度に戻しただけで改革というほどのものではない。北の湖理事長は前向きの改革は何もやっていないということである。


私が何よりも失望したのは、歴代の理事長が定期的にやっていた立ち合いの研修会を、北の湖理事長は一度も開催しないことであった。時に一人横綱として君臨していた朝青龍の手をしっかり下ろさないフライミング気味な立ち合いが新聞で取り上げられ、立ち合いの正常化のため研修会を開催すべきという相撲メディアからの要望にも、北の湖理事長は応じる気配もなかった。


北の湖理事長の1期目(02年2月~04年2月)の実績をみて、この理事長は「相撲協会の希望の星」どころか、無為無策であることが分かってきた。伝え聞くところによると、北の湖理事長は2,3人のイエスマンを側近とする“裸の王様”であるとのことであった。









「朝青龍問題」に説明も謝罪もなし






この北の湖理事長が2007年、8年に続発した不祥事にはどう対処したか検証しよう。


まずは朝青龍の“仮病疑惑事件”である。07年7月に負傷を理由に地方巡業を休んだ朝青龍がモンゴルでサッカーに出場した事件で、彼は2場所出場停止・減俸・4ケ月謹慎の処分を受けた。この朝青龍の処分発表の記者会見には武蔵川事業部長(元横綱三重ノ海)、伊勢ノ海理事(元関脇藤ノ川)が担当して理事長は出席しなかった。その後、朝青龍は「解離性障害」という一種の神経症と診断され、治療のためにモンゴルに帰国したが、この間の数次に及ぶ記者会見に北の湖理事長は一度も姿をみせることはなかった。しびれを切らした東京相撲記者クラブが理事長に記者会見を求めたが拒否されたという(07年9月24日、『朝日新聞』)。さらには9月場所初日の十両取組中の恒例の協会挨拶もこれまで通りの紋切り型で、朝青龍問題については説明も謝罪も一切なかった。


朝青龍問題につての理事長の見解は、この問題はあくまで師匠である高砂親方(元大関朝潮)の責任であり親方が解決すべきで、理事長が関与すべきことではなく、また責任もないので記者会見に応ずる必要もない、ましてや本場所初日の協会代表挨拶で「お詫び」などは必要がないということであった。高砂親方が朝青龍に対する管理能力がないことは天下周知のことであるのに、このような理事長の態度に相撲に理解のある知識人から批判の声があがったのは当然のことであった。そのうちの代表的な見解を二つ紹介するが、この二者の意見に私は全面的に賛成である。









理事長の態度に知識人批判の声













朝青龍は大相撲の頂点に立つ力士だ。相撲協会(会社)にとっていわば最高の「商品」なのである。その「商品」に「欠陥」がでたのだから、相撲協会としてはトップ(社長)が大相撲ファン(消費者)に対し頭を下げて謝罪するのが筋ではなかろうか。朝青龍の不祥事は、すなわち協会の不祥事である。その認識が相撲協会(北の湖理事長)に欠けているように思える。(NHK『大相撲中継』07年9月場所展望、元NHKアナウンサー緒方喜治)





少なからぬ関係者が北の湖理事長を擁護している。相撲協会を商店街になぞらえ、部屋は商店と同じで独立性が強い。だからまとめ役の理事長の責任も商店街の組合長と同じ程度。そんな理屈だった。これが両国の常識ならおかしな話だ。


相撲協会は文科省が管轄する財団法人だ。そのルールである「寄付行為」には「理事長は事務を総理し、この法人を代表する」とある。最終の管理責任が誰にあるか自明な話だ。(07年10月11日『朝日新聞』、元日銀政策委員会審議員委員中原伸之氏)


 


新弟子死亡事件も「部屋個別の問題」






07年6月に発生した時津風部屋の新弟子死亡事件が同年9月末になってメディアで報じられるようになったのは、師匠と兄弟子による傷害致死の疑いがあると警察が動き出からであった。しかし北の湖理事長はこの問題は朝青龍問題と同様「時津風部屋個別の問題」とし、「協会としては独自調査をしない」と述べた。このような相撲協会の対応に驚いた文科省は協会に早期解決を求めた結果、協会はあわてて当事者の事情聴取を始め、時津風親方と兄弟子の3力士の解雇を決めた。それでも「協会の信用、名誉を失墜した」ことを処分の理由とした。





  取材証没収の愚挙






 次は北の湖理事長による元NHKアナウンサー杉山邦博氏の「取材証」没収事件である。


07年9月11日の各紙は、9月場所2日目の9月10日に北の湖理事長が元NHKアナウンサーの杉山邦博氏から本場所取材のために発行している「取材証」を没収したと報じた。北の湖理事長はその理由について、8月13日のTBSの番組で「協会が朝青龍の処分を決めるのには弁護士など外部の人間を入れた方がよかった」とする他の出演者のコメントに杉山氏がうなずいた態度を「協会批判」とし、「『相撲評論家』としてテレビに出ていた。評論家なら取材証はいらない」を、没収の理由に挙げた。


杉山氏は40年以上にわたりNHKの相撲実況を担当した人気のアナウンサーで、相撲協会に対し多大の貢献したことはよく知られていることである。この事件を理事長の取材拒否とメディアは批判して、東京相撲記者クラブが北の湖理事長に強く抗議し、ただちに処分撤回を求めた結果、理事長は杉山氏に取材証を返却した。この取材証没収は全く愚かな措置であった。理事長の暴挙を諌める側近はいなかったのだろうか。





弟子の大麻事件 見識の低さ露呈









最後に、北の湖理事長の引責辞任を招いた弟子の十両白露山の大麻陽性反応事件である。


08年9月場所前日の9月2日、力士会のあと十両、幕内の関取衆を対象に抜き打ち尿検査が行われ、露鵬(大嶽部屋)、白露山(北の湖部屋)のロシヤ出身兄弟力士から、大麻成分の陽性反応が出たことが、検査を実施した相撲協会アンチドービング委員の慶応大学・大西祥平教授が明らかにした。


この日は簡易検査だったため2力士の要求を入れ、精密検査を行ったが2力士とも陽性反応が検出された。これに対し北の湖理事長は「本人(白露山)は吸っていないと言っている。本人の言葉を尊重したい。親(師匠)は子(弟子)を信ずるものだ。精密検査で陽性反応が出たらそれで終わりでない。何度でも受ければよい」と主張し、9月場所の出場も問題なしとした。しかし大西教授は「検査は正確に行われた。2力士の尿検体から検出された大麻の量は本人が吸ったと判断される」と言明した。ドービング検査では日本最高の権威のある大西教授の検査よりも、北の湖理事長は弟子の主張の方を信じたのであろうか。


9月6日のNHKのニュース速報で、精密検査の結果2力士とも陽性であったことが明らかになったことを受けて開催された臨時年寄総会で、北の湖理事長は再度の検査を要求したが受け入れられず、9月8日の緊急理事会で露鵬、白露山の2力士の解雇、北の湖理事長の辞任、大嶽親方(元関脇貴闘力)は委員から平年寄への2階級降格処分が決まった。


この経緯をみても分かるように、北の湖理事長のドービング検査に対する知識の低さが騒動を大きくした。大西教授が世界基準の手法で公明正大かつ厳格に行った検査であることを理解していなかったのである。





『読売新聞』の「編集手帳」(08年9月7日)は、北の湖理事長が辞任する前日に次のようにコメントした。





実力を超え番付が上がり、手ごわい相手との取り組みが続き黒星を重ねる。相撲用語で「家賃が高い」という。日本相撲協会の北の湖にとって、理事長職は家賃が高すぎたかも知れない。大麻事件の騒動を通して分かったことが一つある。北の湖理事長に備わる見識の分量である。(中略)理事長職に見合う見識、常識を、いまから養うのはむずかししかろう。ひとりの親方に戻り、家賃の払えるところに引っ越すのもいい。


 


八百長発覚で理事長職を辞任






北の湖理事長の後任に武蔵川(元横綱三重ノ海)事業部長が就任した。新理事長は9月場所初日恒例の挨拶は、相次ぐ不祥事に対する謝罪と再発防止に向けた決意表明であった。観客席から「三重ノ海、がんばれ」の大声援が飛び交った。そして、「立ち合いでは両手を土俵につくことの徹底」を審判部に申し入れるなど、脱北の湖路線を明確にした。





しかし武蔵川理事長時代にも不祥事が相次いで起こった。2010年1月に横綱朝青龍は泥酔暴行事件で引退を余儀なくされた。5月には維持員席での暴力団観戦問題で木瀬部屋を無期限閉鎖、また引き続き野球賭博事件が発覚し、大嶽親方、大関琴光喜が解雇され、力士、親方の大量謹慎処分になった。武蔵川理事長も弟子の幕内雅山が賭博問題に関与したこともあり事実上退陣となり、村山弘義外部理事が理事長代行に就任した。


同年8月、放駒理事(元大関魁傑)が理事長に就任したが、翌11年2月2日に八百長問題が発覚、相撲協会は存続に係る深刻な事態に直面した。協会内に設置された特別調査委員会(座長=伊藤滋・早稲田大学特命教授)よって25人が八百長関与と認定され角界から追放された。北の湖部屋の十両清瀬海もその一人であったため、4月1日に北の湖はついに理事職を辞任した。





外部役員の役割 側近政治の脱皮













第1次北の湖理事長退陣してからここ3年有余、八百長問題初め相撲協会の根幹を揺るがす不祥事件を乗り切り、難問だった公益財団法人の工程表を策定できたのには、武蔵川理事長時代に任命された外部理事の助言が大きかったという。しかし残念なことには主要な役割を担当していた村山弘義副理事長(元東京高検検事長)をはじめ3理事は、今回、北の湖理事長復帰とともに退任した。


北の湖新内閣が任命した外部役員5人のうち海老沢勝二氏(元NHK会長)は、理事長が最も信頼する外部役員と推測するが、北の湖前理事長時代に横綱審議委員会委員長(07年から2年間)の職にあった海老沢氏は、大麻事件の時に「精密検査は何回もやるべきだ」の北の湖理事長の意見にただ一人賛成し、他の横審委員のひんしょくを買ったことがあったことを指摘しておきたい。


相撲協会には将来の行方を決める公益財団法人への移行問題、長年の客の不入りによる財政の悪化対策など重要にして困難な問題が目白押しである。


北の湖理事長には、前理事長時代のような側近政治から広く知見を求める度量のある理事長に脱皮しこの難局に対処することを期待したい。

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2012年03月07日 | 美しい立合い・立合い変化
立合いの変化する大関は横綱にすべきではない、YES OR NO? 立合い変化の大関は横綱昇進にあたり、どれだけ減点すべきか?(羽黒蛇)








雑誌「相撲」40ページで、荒井太郎記者は、先場所、把瑠都が稀勢の里に立合い変化の注文相撲で勝ったことについて、次のように論じている。








「しっかり当たってからのイナシならまだしも、把瑠都の体はハナから左にひらいており、全く当たっていない。」








「今場所も同様の相撲で勝つようなら、全勝しても『綱』は見送るべきだろう。」








感想:相撲記者の怒りを感じます。








本ブログで記事を掲載させてい頂いている真石博之氏は、



「立ち合いの変化は禁じ手ではありませんから、負ける方が悪いのです。しかし、それは競技上のルールであって、金を払って見に行っているファン、テレビで観戦しているファンに対しては裏切りです。」













ファンが喜ぶ相撲を見せないと、相撲は人気を失います。



しかし、把瑠都も勝つために相撲をとっているのであり、変化すると勝てると分かっているのに、変化しないというのも、理論的にはおかしな話です。(感情論的には非難してしまいますが。)








私は、相撲のルールに欠陥があると考えます。








立合い変化の相撲を減らすためには、荒井太郎氏が、「相撲」で指摘している「『看板力士』としての自覚をしっかり持ってもらう」ことでは解決しない。ルールを変えないとダメ。








何故なら、把瑠都が、(あるいは他の横綱大関が)どんなに「お客さんが喜ぶ相撲を取るには、立合い変化してはならない」と自覚していても、立合いの一瞬で、変化したら勝てると直感した時に、変化しないで相撲をとることは難しいと、私は思うからです。








では、どのようなルール変更がよいでしょうか。








荒井太郎氏の、「全勝でも、立合い変化があれば、横綱に昇進させない」という提案は、ヒントになります。








例えば、立合い変化で勝った場合、マイナス5勝と評価するルールを導入したとします。



15勝0敗は、10勝0敗という評価になり、優勝はできません。



立合い変化して勝つと、マイナス5勝というルールが先にあれば、把瑠都は稀勢の里戦で変化しなかったでしょう。








11勝0敗の把瑠都が、12日目で、



立合い変化しないで負けたら、11勝1敗 (残り3日間全勝で14勝、2勝で13勝)



立合い変化して勝ったら、   7勝0敗 (残り3日間全勝で10勝、2勝で 9勝)








変化して勝ったら横綱昇進が消えると分かっていれば、立合い変化したら確実に勝てる相撲でも、変化しません。



結果として、ファンを喜ばせる相撲が土俵で展開されます。








このルールの弱点は、立合いの変化を得意技にしている小兵力士が不利になることです。



例えば、7勝7敗の千秋楽、立合い変化すれば勝てる相撲で、



変化して勝ったたら、3勝7敗で負け越し4



変化しないで負けたら、7勝8敗で負け越し1



勝った方が、負けるより、番付が下がるのは、不合理。








次回は、合理的なルールで、お客が喜ぶ相撲をどのように両立させるかを書きます。








羽黒蛇