立合いの変化する大関は横綱にすべきではない、YES OR NO? 立合い変化の大関は横綱昇進にあたり、どれだけ減点すべきか?(羽黒蛇)
雑誌「相撲」40ページで、荒井太郎記者は、先場所、把瑠都が稀勢の里に立合い変化の注文相撲で勝ったことについて、次のように論じている。
「しっかり当たってからのイナシならまだしも、把瑠都の体はハナから左にひらいており、全く当たっていない。」
「今場所も同様の相撲で勝つようなら、全勝しても『綱』は見送るべきだろう。」
感想:相撲記者の怒りを感じます。
本ブログで記事を掲載させてい頂いている真石博之氏は、
「立ち合いの変化は禁じ手ではありませんから、負ける方が悪いのです。しかし、それは競技上のルールであって、金を払って見に行っているファン、テレビで観戦しているファンに対しては裏切りです。」
ファンが喜ぶ相撲を見せないと、相撲は人気を失います。
しかし、把瑠都も勝つために相撲をとっているのであり、変化すると勝てると分かっているのに、変化しないというのも、理論的にはおかしな話です。(感情論的には非難してしまいますが。)
私は、相撲のルールに欠陥があると考えます。
立合い変化の相撲を減らすためには、荒井太郎氏が、「相撲」で指摘している「『看板力士』としての自覚をしっかり持ってもらう」ことでは解決しない。ルールを変えないとダメ。
何故なら、把瑠都が、(あるいは他の横綱大関が)どんなに「お客さんが喜ぶ相撲を取るには、立合い変化してはならない」と自覚していても、立合いの一瞬で、変化したら勝てると直感した時に、変化しないで相撲をとることは難しいと、私は思うからです。
では、どのようなルール変更がよいでしょうか。
荒井太郎氏の、「全勝でも、立合い変化があれば、横綱に昇進させない」という提案は、ヒントになります。
例えば、立合い変化で勝った場合、マイナス5勝と評価するルールを導入したとします。
15勝0敗は、10勝0敗という評価になり、優勝はできません。
立合い変化して勝つと、マイナス5勝というルールが先にあれば、把瑠都は稀勢の里戦で変化しなかったでしょう。
11勝0敗の把瑠都が、12日目で、
立合い変化しないで負けたら、11勝1敗 (残り3日間全勝で14勝、2勝で13勝)
立合い変化して勝ったら、 7勝0敗 (残り3日間全勝で10勝、2勝で 9勝)
変化して勝ったら横綱昇進が消えると分かっていれば、立合い変化したら確実に勝てる相撲でも、変化しません。
結果として、ファンを喜ばせる相撲が土俵で展開されます。
このルールの弱点は、立合いの変化を得意技にしている小兵力士が不利になることです。
例えば、7勝7敗の千秋楽、立合い変化すれば勝てる相撲で、
変化して勝ったたら、3勝7敗で負け越し4
変化しないで負けたら、7勝8敗で負け越し1
勝った方が、負けるより、番付が下がるのは、不合理。
次回は、合理的なルールで、お客が喜ぶ相撲をどのように両立させるかを書きます。
羽黒蛇
雑誌「相撲」40ページで、荒井太郎記者は、先場所、把瑠都が稀勢の里に立合い変化の注文相撲で勝ったことについて、次のように論じている。
「しっかり当たってからのイナシならまだしも、把瑠都の体はハナから左にひらいており、全く当たっていない。」
「今場所も同様の相撲で勝つようなら、全勝しても『綱』は見送るべきだろう。」
感想:相撲記者の怒りを感じます。
本ブログで記事を掲載させてい頂いている真石博之氏は、
「立ち合いの変化は禁じ手ではありませんから、負ける方が悪いのです。しかし、それは競技上のルールであって、金を払って見に行っているファン、テレビで観戦しているファンに対しては裏切りです。」
ファンが喜ぶ相撲を見せないと、相撲は人気を失います。
しかし、把瑠都も勝つために相撲をとっているのであり、変化すると勝てると分かっているのに、変化しないというのも、理論的にはおかしな話です。(感情論的には非難してしまいますが。)
私は、相撲のルールに欠陥があると考えます。
立合い変化の相撲を減らすためには、荒井太郎氏が、「相撲」で指摘している「『看板力士』としての自覚をしっかり持ってもらう」ことでは解決しない。ルールを変えないとダメ。
何故なら、把瑠都が、(あるいは他の横綱大関が)どんなに「お客さんが喜ぶ相撲を取るには、立合い変化してはならない」と自覚していても、立合いの一瞬で、変化したら勝てると直感した時に、変化しないで相撲をとることは難しいと、私は思うからです。
では、どのようなルール変更がよいでしょうか。
荒井太郎氏の、「全勝でも、立合い変化があれば、横綱に昇進させない」という提案は、ヒントになります。
例えば、立合い変化で勝った場合、マイナス5勝と評価するルールを導入したとします。
15勝0敗は、10勝0敗という評価になり、優勝はできません。
立合い変化して勝つと、マイナス5勝というルールが先にあれば、把瑠都は稀勢の里戦で変化しなかったでしょう。
11勝0敗の把瑠都が、12日目で、
立合い変化しないで負けたら、11勝1敗 (残り3日間全勝で14勝、2勝で13勝)
立合い変化して勝ったら、 7勝0敗 (残り3日間全勝で10勝、2勝で 9勝)
変化して勝ったら横綱昇進が消えると分かっていれば、立合い変化したら確実に勝てる相撲でも、変化しません。
結果として、ファンを喜ばせる相撲が土俵で展開されます。
このルールの弱点は、立合いの変化を得意技にしている小兵力士が不利になることです。
例えば、7勝7敗の千秋楽、立合い変化すれば勝てる相撲で、
変化して勝ったたら、3勝7敗で負け越し4
変化しないで負けたら、7勝8敗で負け越し1
勝った方が、負けるより、番付が下がるのは、不合理。
次回は、合理的なルールで、お客が喜ぶ相撲をどのように両立させるかを書きます。
羽黒蛇