HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第1053話≪「スタグフレーション」&「スクリューフレーション」≫

2011年10月21日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、米国経済を語る上で、「スクリューフレーション」と言う聞きなれない言葉が飛び交っています。

 「スタグフレーション」「スクリューフレーション」ともに経済現象の一つでありますが、内容はかなり違っています。

 「スタグフレーション」は、経済停滞(stagnation)とインフレーション(inflaion、物価上昇)が同時に起きるから派生した造語で、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態を指します。代表的な例として、1970年代のオイルショックで確認されています。そしてこの「スタグフレーション」は長期的には必ず是正されます。

 「スクリューフレーション」は、中間所得層の貧困化を意味するスクリューイング(screwing)とインフレーション(inflaion、物価上昇)を組み合わせた造語なのです。即ち、ガソリン・食品の値上がりで、中間層の生活が苦しくなり、景気が悪化するという意味なの、自己矯正能力が働くことは期待できません。


 最近は、「スクリューフレーション」という言葉が話題になっています。

 米国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費は低調です。先日発表されました米個人消費は前月比で2年ぶりにマイナスとなり、金融緩和策であふれたマネーが商品市場に流入し、物価高騰という形で中間層を苦しめております。
 
 更に消費の低迷が続きますと株安、企業の業績悪化が進み、リストラや所得減少の悪循環を招き、中間層はさらに打撃を受けると思われます。

 不景気とインフレの同居がいわゆる「スタグフレーション」ですが、「スクリューフレーション」とは、「中間層が立ちゆかない」状況のことです。
 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「日本でも生活必需品の価格が上昇し、低所得者層の負担感は増しており、富裕層との格差は一段と拡大する」と警告する。今後、スクリューフレーションは先進国に共通する脅威となりそうだ。


第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 永濱 利廣氏の

 ≪日本にも忍び寄る「スクリューフレーション」 ~低中所得層を苦しめる物価の二極化~

 をクリックしてお読みください。

 この論文の中で、永濱エコノミストは、「日本でも生活必需品の価格が上昇し、低所得者層の負担感は増しており、富裕層との格差は一段と拡大する」と警鐘をならしております。

 これからも、「スクリューフレーション」は先進国に共通する経済現象となりそうです。


 永濱エコノミストの要旨を抜粋しますと、

  ◆近年の米国経済は、中産階級の貧困化とインフレが重なった「スクリューフレーション」の脅威に晒されている。失われた20 年を経て中間層の貧困化が深化した日本でも、スクリューフレーションが起きている可能性が高い。

  ◆日本の消費者物価は、贅沢品の価格が低下する一方、生活必需品の価格は上昇基調にある。生活必需品は低所得であるほど消費支出に占める比重が高く、高所得であるほど比重が低くなる。我が国でもスクリューフレーションが生じていることを示している。

  ◆スクリューフレーションは地域格差も広げる。地方では自動車で移動することが多く、家計に占めるガソリン代の比率も都市部に比べて高い。相対的に低所得者層に対する負担が高まるという問題がある。

  ◆金融危機による世界経済の低迷が危惧される状況下、欧米諸国では財政危機に晒されながらデフレ懸念を抱えて金融政策が緩和に向かう一方、新興国や途上国では今後もインフレ懸念が続くと
見込まれる。

  ◆日銀は中長期的な物価安定について「消費者物価が安定して前年より+1%程度プラスになる」と定義している。そのためには、賃金の上昇により国内需要が強まる『良い物価上昇』がもたらされることが不可欠である。

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