HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第629話≪2007年度の温室効果ガスの国内排出量(速報値)前年度比2.3%増加≫

2008年11月21日 | 一般情報
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、地球温暖化防止のために、CO2など温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書を覚えておりますね。これに基づいて、日本は1990年を基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年、HFCs、PFCs、SF6は1995年)として、今年の2008年から2012年の5年間に6%の削減を約束しております。

 この京都議定書「京都メカニズム」は、3つのシステムがあり、
  ◆余った排出量を国家間で売買する排出権取引
  ◆先進国同士が共同で排出量の削減を行う共同実施
  ◆先進国が途上国を援助して排出量を削減するクリーン開発メカニズム(CDM)
 で、温室効果ガス削減をより柔軟に行うための経済的なメカニズムです。

 さて、環境省は11月12日に、「2007年度(平成19年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について(お知らせ)」で下記の要約を発表しております。

   ◆2007 年度の温室効果ガスの総排出量は、13 億7,100 万トン
   ◆京都議定書の規定による基準年の総排出量と比較し、総排出量としては8.7%上回っている
   ◆前年度の総排出量と比べると、総排出量としては2.3%増加
               
 環境省ではこの要因を、
 「増加の主な原因は、新潟県中越沖地震の影響で原子力発電所の稼働率が低下し、火力発電で代替したことで二酸化炭素(CO2)の排出量が増えたこと」
 と説明し、京都議定書が定めた1990年度比6%削減という目標の達成に向けて、温暖化対策を原子力発電所に頼っていることが鮮明に浮かび上がっております。

 主な業界のCO2排出量

      2007年度排出量 電力消費に伴う排出量  2006年度比 基準年比
  産業  4億7600万㌧   1億5900万㌧        3.6%↑   1.3%↓
  運輸  2億4900万㌧     800万㌧         1.6%↓   14.6%↑
  業務  2億3300万㌧   1億4300万㌧        1.2%↑   41.7%↑
  家庭  1億8000万㌧   1億1700万㌧        8.4%↑   41.1%↑

 この各部門の中でも、業務(オフイスビル、店舗)や家庭でのCO2排出量を下げなければなりませんね。


 今回の発表では、2年ぶりの増加で排出量は過去最大、京都議定書の基準年(原則1990年度比)からは8.7%上回っております。



 日本は、京都議定書では、

  ◆第一約束期間の2008―2012年度の5年間
  ◆平均排出量を基準年の12億6100万トンから6%削減する目標
  ◆森林吸収対策で3.8%減、
  ◆京都メカニズムによる排出枠の購入で1.6%減

 を確保することになっており実質的な削減目標は0.6%でありますが、2007年度の排出量の13億7100万トンと比べれば9.3%の削減量が必要になる計算となり、目標達成は厳しい状況です。
 
 2007年度の排出量の増加は、地震で原子力発電所の利用が減るとともに渇水で水力発電所の電力量も減ったことで、火力発電所の運転量が増えてエネルギー効率が悪化したことが大きいです。

 しかし、環境省は、電力業界がエネルギー効率を目標どおりに改善(9.3%のかなりの部分は電力業界の努力で削減できる)できれば、2007年度の排出量から必要な削減量が1.1%に圧縮されるとの試算も公表しています。

 環境省は、9.3%のかなりの部分は電力業界の努力で削減できるとしている。

                
                (11/13付朝日新聞作成)

 原子力発電所の稼働率で、2007年度の新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所などで運転停止が続き、60.7%にとどまったので、例えば、稼働率が最も高かった1998年度の84.2%であれば、2007年度の排出量を5%下げられたという・・・・・が、 原子力発電所の安全性に対する要請は高まっており、すぐに稼働率を大幅に上げられる見通しはないですね。

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