知的財産権担保融資については、あれこれネガティブなことをいいながら、節操もなく知的財産権担保に関する入門書を書き進めています。その件で、編集担当の方からちょっと興味深い話を伺いました。
私の知的財産権担保融資に対する考え方は、
「知的財産権は基本的には担保適格に欠けることがほとんどであり、不動産担保の代替手段とて期待できるようなものではない。従来の担保融資の発想(担保さえあれば企業の将来性云々は目を瞑って融資する)からアプローチすれば期待はずれに終わるだろうが、担保という切り口を通じて金融機関が融資先の知的財産権にも着目するようになり、企業をみる幅が広がったり、不十分な部分を発見してアドバイスできるようになったりすれば、有意義なものになる。」
というものです。そのトーンで原稿を仕上げたところ、編集担当の方曰く、最近は知的財産権担保より注目されている動産担保融資でも、同じような議論がされるようになっているとのことでした。動産を担保にとっても、債権回収に必ずしも有効かどうかはわからない。しかしながら、担保を検討する過程で融資先の商品の流れを追うことによって、事業の構造や資金の流れがよく見えるようになり、企業の見方が多面的になるという副次的な効果がある、実はその効果のほうが意味があるのではないか、といった話でした。
知的財産権担保を通じて企業の見方が多面的になる。私自身も知財に関わるようになって「粗利率」に目がいくようになりましたが、その点は十分に期待できるのではないかと思います。
私の知的財産権担保融資に対する考え方は、
「知的財産権は基本的には担保適格に欠けることがほとんどであり、不動産担保の代替手段とて期待できるようなものではない。従来の担保融資の発想(担保さえあれば企業の将来性云々は目を瞑って融資する)からアプローチすれば期待はずれに終わるだろうが、担保という切り口を通じて金融機関が融資先の知的財産権にも着目するようになり、企業をみる幅が広がったり、不十分な部分を発見してアドバイスできるようになったりすれば、有意義なものになる。」
というものです。そのトーンで原稿を仕上げたところ、編集担当の方曰く、最近は知的財産権担保より注目されている動産担保融資でも、同じような議論がされるようになっているとのことでした。動産を担保にとっても、債権回収に必ずしも有効かどうかはわからない。しかしながら、担保を検討する過程で融資先の商品の流れを追うことによって、事業の構造や資金の流れがよく見えるようになり、企業の見方が多面的になるという副次的な効果がある、実はその効果のほうが意味があるのではないか、といった話でした。
知的財産権担保を通じて企業の見方が多面的になる。私自身も知財に関わるようになって「粗利率」に目がいくようになりましたが、その点は十分に期待できるのではないかと思います。
コメントありがとうございます。
動産担保は在庫等に譲渡担保を設定しますが、勝手に処分されてしまうと実効性がないため、数年前に登記制度が設けられました。
とはいっても、生鮮品のように劣化が早いものは処分までに価値が失われてしまいますし、担保実行が必要になるような状況で良質な在庫が十分にあるかどうかも疑問ですから、現物があれば処分できる可能性は高いとは思いますが、債権保全の実効性では特許と似たり寄ったりかもしれません。
それよりも、先生が仰るように、副次的な効果によって、金融機関が融資「額」を増加するための一つの要素になればよいと思います。
なお、動産担保とは、「譲渡担保と同じ事実状態を、抵当権類似の法律構成で、担保権として把握するもの」という理解でよろしいですか?