経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

ミッション・インポッシブル

2007-11-16 | 知財発想法
 最近よく思うのは、知財人のミッションは「事業の環境を整えること」にある、ということです。舞台で活躍する主役となるのは、あくまで企業の収益を生み出す源となる、研究開発部門や事業を推進する部門。そういう意味では、私の前職であるファイナンスの分野も、「知的財産権」か「お金」かという手段の違いはあるものの、「事業を進めやすい環境を整える」という立場はよく似ていると感じます。
 環境を整えるべき部門が主役にたって、自ら「収益を生み出す」というミッションにチャレンジしようとするとどうなるか。ファイナンスで収益を生み出そうとした会社(ホリエモン時代のライブドアetc.)はどうだっただろうか。やはりこのミッションは、そもそもインポッシブルであるように思います。
 役に立つ知財部門を育てていこうとするならば、経営者には、知財部門に「どれだけ稼いでいるか?」と求めるのではなく、研究開発部門や事業部門に対して「知財部門は事業環境の整備に役立っているか?」と問うことで、知財部門の役割を評価して欲しいと思います。


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2 コメント

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Unknown (yoshi)
2007-11-20 01:23:38
「知財部門は事業環境の整備に役立っているか?」
というのは同感です。
私は、例えば権利化に際しては、顧客に「あきらめたくないのか」否かを明確に聞いて、その意思で対応を変えています。「あきらめたくない」なら、リスクを承知で徹底抗戦をかけます(限度はありますが)。「あきらめられる」なら、70%大丈夫そうでもあきらめてもらいます。

・・というような仕事の姿勢も「知財部門は事業環境の整備に役立っているか?」で動いているかな
と、思ったり。。。

お気楽なコメントをしてすみません。。
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Unknown (土生)
2007-11-20 23:24:58
yoshiさん
コメントありがとうございます。
顧客の事業に与える影響が大きければ、その権利をとるべく戦うだけでなく、漏れがないように多面的に抑えるとかいうケースも出てきて、実務家のノウハウ総動員ですね。逆に「あればラッキー」の場合は、力加減の仕方がポイントになるのだと思います。
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