経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

300億円の意味

2007-07-02 | 新聞・雑誌記事を読む
 週末の日経新聞にライオンが「バファリン」の商標権を約300億円で買い取るという記事が出ていて、単純に商標権で300億円とは凄い金額だな、と思っていたのですが、今日の日経金融にもう少し詳しい数字が説明されていました。
 300億円の購入費用を今後10年間で償却するため、年間30億円の償却費が発生するそうですが、来期は30億円償却後の営業利益が20億円となる見込みだそうです。しかしながら、これまで事業を行っていた合弁会社からの配当金10億円がなくなり、今回の購入資金の借入金利も考慮すると、経常段階では殆ど利益が出ないそうです。この計算でいくと投資回収には償却期間の約10年を要するということになりそうですが、実際は7~8年での回収を目指しているとのこと。その根拠は、商標権を取得することによって、鎮痛薬以外の分野(例えば風邪薬)への「バファリン」ブランドでの参入が可能になり、収益を押し上げる効果を見込んでいるということだそうです。
 これぞまさに「ブランド価値」といったところですが、300億円という金額には、既存事業が生み出す価値だけでなく、ブランドを利用した事業の広がりまで含まれているということのようです。


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