経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

北風と太陽

2011-12-09 | 企業経営と知的財産
 最近、企業や支援者向けのセミナーで講師を務める際には、知的財産を経営に活かすためのポイントとして、次の3つを挙げて説明しています。

(1) ‘知的財産権’でなく‘知的財産活動’の力を理解する。
(2) 知的財産の働きをステレオタイプで捉えない。 (=他社を排除するだけではない。)
(3) 囲い込むのは‘知的財産’ではなく‘顧客’。

 その意味するところはどれも共通していて、詳しくは前回のエントリに書いたとおりです。伸び盛りのマーケットで市場シェアを奪い合うというような経済環境にはなく、何より需要の創造が求められるデフレ経済下においては、知的財産権を暴力装置のように捉えるのではなく、違った側面にももっと目を向けていかなければいけない。最近はよく‘北風と太陽’のストーリーに喩えるのですが、「侵害したら大変ですよ」「他社より先に権利を抑えて攻撃しましょう」と北風を吹かすよりも、「自分たちの造ったものを形にしよう」「形にしたものをアピールして仲間を増やそう」と太陽のように温め、会社の体温を上げるといったスタンスのほうが、特にこういう時代には多くの共感を得られるのではないかと。

<お知らせ> 12月16日(水)に千葉で「知的財産を中小企業経営に活かすには?~先進事例にみる効果的な知財活動の考え方~」と題してお話をさせていただきます。具体例を挙げながら、上の3つのポイントについて詳しく説明させていただきますので、年末のお忙しい時期かと思いますが、お時間のある方は是非ご参加ください。