経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

不動産がダメになったから知財?

2007-11-15 | 知的財産と投資
 以前に、サブプライムローン問題の反省モードで「知財の証券化」も当面見送りムードではないか、といったことを書きましたが、「どうなる特許流通ビジネス(上)「日本買い」にうまみ!?」の記事には驚きました。発想が全く逆で、
「米国の不動産バブルを演出した資金の一部が知財へ向かいつつある」と米国のファンド会社のアナリストは語る。簡単に言えば、ライセンシーは特許購入資金を手当てしやすくなるということだ。つまり日本企業の特許にも外資から買いが入る環境になりつつある。日本株ではなく日本特許だ。
ということだそうです。
 一方で、昨日の中間決算発表でサブプライムローンの影響から今期の業績予想を下方修正したでみずほFGの前田社長は、
証券化商品の流動性リスクの把握については、かなり反省しなければならない。こんなことになるとは、申し訳ないがまったく想定していなかった。
と謝罪されたそうです(本日の日経金融新聞より)。サブプライムローンの今の直接的な問題は、貸倒れが発生した云々ではなく(勿論大元の原因はそこにあるのですが)、サブプライムローンから組成された証券を売却したくても売却できない、値がつかないからいくら償却すればよいかもわからない、という底の見えない不安にあると思います。流動性に難のある金融商品のリスクが本質的な問題であって、不動産がダメになったから知財という問題ではないんとちゃうかなぁと思いますが、米国のファンド会社のアナリストからみるとそうではないんでしょうか。