経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

‘三位一体’は脱・パック旅行から

2007-11-02 | 知財業界
 知財業界でいろんな仕事を経験していると、その中で会う人の数も年々増えていくわけですが、人脈や経験という観点からみると、年数を重ねるに従ってタテ方向への深まりはあるものの、ヨコ方向への広がりが起こりにくい、ということを感じます。

 海外旅行に行って得られる経験や感じとれるものは、一緒に行く人数の分だけ割り算した量になる、という話を聞いたことがあります。1人であれば100感じとれるものが、2人なら50、5人なら20になってしまうということです。勿論、パック旅行であっても、美しい景色を見たりその場所についての知識が広がったりはするので、エンターテイメントとしてはそれで十分に楽しめるのだと思いますが、異文化から何かを得ようと思うならば、ある種の経験や感覚というものは1人でないと得られない部分があると思います。

 知財業界の仕事、殊に事務所側の仕事を続けていると、外に出るよう努めていてもどうしてもパック旅行化が起こりやすく、センサーの進化を妨げてしまいやすいのではないかと思います。‘三位一体’(事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の三位一体)を実践するには、まずは他部門の意図をセンサーでしっかり感じ取るところから。というわけで、バックパッカー魂を思い出さなければいけないな、と思う次第です。