経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

経営の違い

2007-08-12 | 書籍を読む
 信越化学・金川社長の「毎日が自分との戦い」を読みました。何でこの会社はこんなに強いのだろう、というのは以前から気になっていたのですが、こんな凄い経営者がいれば、なるほど強いわけです。
 塩ビの分野で信越化学が圧倒的に強いことについて、「製造プロセスが優れているから」という第三者の解説を、金川社長は「おかしい」と断じています。同社は製造技術を様々な企業に供与しており、同じ技術を使っている企業はいくつもあるのだから、「経営の違いというしかない」と書かれています。そして、「研究開発、製造、販売、調達、財務など、あらゆる要素に目配りをしたした経営力の差が収益に反映されている」ということだそうです。
 日本を代表するハイテク企業であっても、「研究開発の成果を特許権で保護して事業を独占する」ことによって収益を上げているわけではない、ということですね。

毎日が自分との戦い―私の実践経営論
金川 千尋
日本経済新聞出版社

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