
全建女・金沢大会2日目の午後からは、エクスカーションになる。
全国女性建築士連絡協議会は、1年毎に会場が東京都と地方に交代で行われる。
東京大会には、真面目に出た事がないから、エクスカーションの詳細は分からない。
最後に出たのが奈良の地方大会だったので、エクスカーションは奈良県各地の見学コースを楽しんだ。
過去を思い起こしても、見学会しか考えられなかったが、この金沢大会では見学は1コースのみで、加賀友禅や水引体験、金沢表具体験や呈茶(これは金沢城玉泉庵で)5コースが準備されていた。
山形大会では、見学以外のエクスカーションは必要なのだろうかと、迷いながらの見学コースを選ぶ。

酒田組は大会優先で、エクスカーションが終わり次第に帰途に着く予定だった。
よって、他の見学者はバス2台で、我々は車で石川県立図書館に向かう。

この敷地は、金沢大学工学部があった場所だと言う。
閑静な住宅街に建っている。
奥のソメイヨシノと手前の株立ち赤松(タギョウショウ)は、キャンパス時代からあった物を移植した。

設計者は秋田国際教養大学の図書館と同じく、仙田満氏である。
説明をして下さったのは、石川県庁土木部営繕課 新図書館班長の矢尾志津江氏。







外壁は、本のページをめくった感じに仕上げられている。
言うのは簡単、造るの大変。

イメージカラーは、金沢の五彩を取り入れている。

但し、天井は青い空をイメージしている。
館内の基本色は、ごく明るい木の色だったが、工事が進むに連れ、ベンガラに近い濃い色に仕上がっていく。
重厚感溢れる色彩となった。

建物中央一階の床に方角石ならぬ方磁石があった。東西南北は色分けされていて、本棚に取り付けられた照明器具も、この色に分けられていた。



単に本を並べるのではなく、主題に基づいてレイアウトされている。

通路は階の高さに応じて階段、スロープ、エスカレータ、エレベータで移動する。
丁度この辺りで、図書館の説明をして下さった八尾さんとスロープについて話を交わした。
スロープと本棚の関係は、実物大の棚やスロープを使って体験しながら組み上げて行ったそうだが。


南

東

西



あのキャットウォークに登ってみたいな。
体育館ばりの図書館なのである。

さて、実は今回の金沢行きの記事は、なかなか書けないでいた。
数百枚撮してきた写真をPCに取り込む際に、アクシデントが起きてこの図書館部分が数枚を残し行方不明となってしまった。
頭の中には記憶として残ってはいるけれど、どうやって文章を書けば良いのかと、悩んでいるばかりで進む事が出来なかった。
こうして書けるのは、カメラの中に消えないで残っていてくれた写真が見つかったからなのである。

建物の写真は、山形の参加者の皆さんが撮してくれた物の方ができが良いし、ネットでも見つけられるだろうが、
私が後半に撮してきたのは収蔵された本のタイトルの行方だった。
建物の迫力以外で、さすが前田家百万石の金沢の文化に相応しい。
現在75万冊を10年後には200万冊収容の書庫収蔵能力を持たせる設計と、弱小県では想像も出来ない規模なのである。
3階では、各県の県史の蔵書がズラッと並んでいた。
勿論、山形県史も忘れられずに並んでいた。


百冊に近い昭和史から、極東裁判の語録。

樺太史

横須賀海軍史に混じって「千代田城大奥」なんてのもある。
どれだけ幅が広いのかと感心する。
これだけの蔵書を抱える金沢市に住める人は、羨ましいなと思ったのだ。

さて、金沢駅に負けず、この図書館でも金沢の工芸品が組み込まれてあった。

本物を見極める事が出来る、贅沢な空間創りである。

子供たちがエッチラオッチラと動かしていたのは、恐竜の椅子(布製)だった。
次はおまけ

図書館から(新たに出来たであろう道路)を挟んで、こちらも新しい施設が出来ていた。
これも現代的な美しい施設だったのだが。

まだ未完成らしく、立ち入り禁止のようだ。

もしかしたら、金沢大学工学部??
と疑問符をつけながら、カメラに収めてきた。
この辺り(時間)で、酒田組は引き上げることにした。
他の山形組は、もう1泊して金沢の街を楽しむらしい。
大会だけで済ますには、勿体ない機会なのだもの。
後でどんなだったか、聞いてみよう。