無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

建築士会女性委員会役員会

2021-04-05 13:04:54 | 建築・都市・港


4月3日(土)に、(一社)山形県建築士会女性委員会役員会が、令和元年5月に落成した尾花沢市役所庁舎で開催された。


こちらは正面玄関ではなく、西口玄関である。
尾花沢市役所は、市庁舎と保健センター、防災センターを兼ねており、会場の3階には、防災研究室が連なっていた。


この市役所庁舎はプロポーザルで、1位になった設計事務所の作品を見て、出来上がるのを楽しみにしていた。
実際に見た建物は、描かれていた作品とは違っていて、単なるオフィスビルに見えた。
昨今の地方の公共施設は、予算との戦いに明け暮れる。きっと厳しい内容だったのだろう。



普段は研修室として使用するが、こと災害が発生した場合は、緊急避難施設として活躍する計画である。


1階市民課&ロビー



階段だけは設計者が譲れないデザインだったと思う。


3階の議事堂前のホールも又、設計者の意図が感じられた。


無理をお願いして、議事堂を拝見させて頂いた。
他の室内はクロスだったが、ここだけは地元産の杉を用いた議事堂だった。


天井の杉板や壁材も杉材を吸音材の前に並べた構造になっている。
酒田斎場の壁に比べるとピッチも材料も塗装も・・・以下略

素晴らしいなと思ったのが、家具だった。ちらっと天童木工の声が聞かれたのだが、各階のカウンターも同じ造りだった。



外に出て、職員の方の説明を聞く。




男性2名が職員の方である。今日(土曜日)は休みではなかったのか。


奥に見えるベージュ色の壁が市庁舎。
この建物は道路を挟んで(旧庁舎跡地)設置されているエコな冷暖房施設である。



片側は雪室で、雪の尾花沢と呼ばれる地域の雪を活用して、夏の冷房に使おうと貯蔵している。
建物の右の車の奥も、今年降った雪の山がある。
この敷地にも、駐車場の除雪の山があり、その雪をこの貯蔵庫にパワーショベルで入れるのだそうだ。
天辺まで積まれていないので、雪を跳ね飛ばすロータリー除雪機を使ってたっぷりと入れたいと思うのが素人の私たち。
その方法で積み上げると、雪が汚い雪になるそうで、運んで積み上げる方式なのだそうだが、汚い雪は冷房装置に支障でもあるのだろうか。
そもそも雪は、気中のゴミに水蒸気がくっついて出来るので、どっちみち汚い物だと素人の私は思う。



さて、雪室の半分は、バイオマス暖房の施設である。



木質ペレットボイラーを利用して、冬期間の暖房に用いる。



ペレットは、尾花沢産ではなく近隣の真室川町から取り寄せている。
基本的に冷房と暖房は、庁舎の1階部分のみに使用される。
階段などの吹抜部分があるので、冷房以外は2-3階まで効果があると思われる。
特に冷房は、邪魔者でしかない雪を克雪ではなく活用することに大きな意味を持つ。
雪室からパイプで冷たい空気が市庁舎に送られるが、寒い位に効くそうだ。

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2 コメント

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Simple is the best (お幸)
2021-04-05 23:29:43
人口も少なくなって
予算に苦慮しているのでしょうね
四角い箱のような建物には
潔さが感じられます

雪を使って夏の冷房って
本当にあるんですね
お幸さん (cake)
2021-04-06 12:20:19
残念ながら山形県は、人口減少の直中にあります。
高齢化と言えども、まだ人はいますが、団塊の世代が消えるとどうなるのでしょうね。

昨今の役所庁舎は、役場の機能の他に、地域に開かれた多用途機能を持たせています。
(酒田市役所は役場機能さえ足りないので、開かれた部分は極小ですが)

雪室を使っての冷房は、新庄や村山を中心に20年以上前から研究や実用化されています。
雪室を使った食材などの冷蔵は、はるか昔から行われているので、雪室に空気を通してその冷気を運用するのは、難しいことではありません。
昨年は、雪が降らなくて、思惑が外れたようでした。
自然を利用することは、人間の好き勝手は出来ないので、ちょっと面白いなと思いました。

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