無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

空気をデザインするということ

2016-12-12 15:30:21 | 建築・都市・港

待望の森みわ氏の講演が始まった。

この右下の建物は、彼女が日本に帰ってきて最初に建てた鎌倉の住宅。高断熱高気密の大御所と呼ばれる教授達が軒並み見学に訪れたらしい。

 こんな事、言って良いかな。森さん可愛い。

誰かさんが、講演後に森さんを独り占めしてた。

さて本題。森さんは、横浜国立大学工学部を卒業後、ドイツへ国費留学する。彼女の曾祖父は、台湾総督府を設計したように、権力側の人間だった。それに反発して独自に建築を目指す。

留学先のドイツで、ウォルフガング博士と出会い、パッシブハウスに取り組む。パッシブハウスは、エコハウスや高断熱高気密住宅の先を行く工法である。日本の省エネ住宅は、ヨーロッパより30年遅れていると言われて久しい。

日本の建築家は、この高断熱高気密住宅がそもそも嫌いだ。吉田兼好の徒然草の「家の作りは夏を旨とすべし」の言葉にあるように、自然と協合した住宅が根本にある。そして魔法瓶のような住宅を毛嫌いする。実は、一見相反するこれらを融合したのが、パッシブハウスである。

日本の住宅業界の不完全な高断熱高気密工法で、躯体そのものが内部で腐ってしまう事も加算した。

日本には四季があり、夏の暑さも冬の寒さも厳しく、また湿度が高いことも鹹味して、住む人間に我慢を強いるのが当たり前と思われてきた。

さて、ドイツと日本の民族的な差を見てみよう。ドイツ人もきまじめな人が多いのだろうと思っていたら、どうやらそうでもないらしい。日本でも遅ればせながら2018年に省エネ法が施行される。これに先立ち、もうドイツでは当たり前になっていて、どうしてもこの法律から逃れることは出来ない。法があるから仕方なくその工法にするのではなく、逆手に取って計画から住みやすい建物を造る方向に変わってきた。

建物の省エネは,魔法瓶のような家を建てることではない。風や日光が大きく関係してくる。省エネの為に窓を小さくするのでは無く、大きな開口部を条件の良い方向に向けて計画する。日光による温度変化を気にするならば、その方向にカーポートの屋根を利用した日よけも考えられる。

さて、右側の玄関の写真だが、ここにイタリア製のペレットストーブが設置してある。

そのストーブを利用して、エネルギーの80%を温水に、残りの20%で暖房を行う。30坪ほどの住宅でも、6畳用のエアコンで家全体をカバーできると言う。

ドイツで計画された団地。青と赤はパッシブの集合住宅。小さな緑は完成してから国に貸し出す高齢者用の住宅で、少しだけパッシブを省略し工事費を浮かせたもの。このような団地を造る時には、高齢者に格安で貸し出す住宅を建てることが決まりになっているようだ。

右側の細長いS字の建物は医療施設をもつ複合施設。

これは3人の強面の建築家達のデザインによる。

その中のトランソラー氏は、妹島和代達のSANAAでもコンサルを務めたらしい。

S字の建物。最も苦労したのはやはり開口部のサッシだった。

日本の建築家の口癖は、高断熱高気密で問題になるのは、サッシ部分である。サッシが弱いから建物に負荷がかかると、サッシメーカーに責任を負わせるようなことを、随分前から言っていた。

ところで、このプロジェクトはYKKとタイアップして、3名の建築家で富山で行われている。

あの槇さんも関わっている。

森さんも関わっているのだが、前の2名が新築なのに対して、彼女の受け持ちは既存のアパートを改造してパッシブハウスにする事だそうだ。

これはRC造のアパートのバルコニーが躯体に及ぼす様子。彼女はバルコニーを外すことに決めた。

高断熱サッシに取り替える。壁は外断熱にした。壁が厚くなったので、サッシの水切りの寸法が足りなくなった。そういった部材は、YKKから新たに作って貰う。日本のサッシメーカーが、そんなに簡単に協力してくれるとは思っていなかったが、YKKにしても実験とデータが得られる。そして次世代に向かっての新商品を作るきっかけにもなる。

このプロジェクトはYKKに頼むと、現場見学出来るらしい。でも富山は遠い。

内部の断熱の様子。

リノベーション計画は、メゾネット型の若者向け住戸を作り出した。

彼女の話で面白かったのは、卒業後に入った坂茂事務所で、坂茂氏と喧嘩して事務所を飛び出したこと。ええ~っ、あの坂茂と喧嘩したのかと、驚きの目で彼女を見た。大御所と言えどもウカウカしていられない時代に入ったと思う。想像するに、パッシブの考え方が相違を起こしたのではと思う。彼女は現在、日本で唯一の「独パッシブハウス研究所のパッシブハウスデザイナー認定の資格を有する。この研究所では、従来のエクセルを利用したパッシブハウスの計算プログラムで、世界中のデータを入力すると結果が出せるのを、安価で行える。近々仙台でも、このプログラムを利用した研修会が開かれるようだ。参加費がちと高い。

 
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日本建築家協会(JIA)アーキテクツウィーク2016

2016-12-12 15:30:21 | 建築・都市・港

 

JIA東北でも、太っ腹な宮城地域会では、3日間に渡って仙台のメディアテークを使っての催しを開催した。

私達は、その中でも森みわ氏の講演を聴く為に会場入りしたが、丁度先のシンポジウムが終わった後の休憩タイムだったので、会場内をうろつく事にした。

作品のパネルと模型の数々。

パネルも、一枚一枚が面白い。

奥には、今後稼働する仙台城プロジェクトの詳細が貼ってあった。

仙台城の復元に向けて動き出すのかなと思う。思えば、仙台は伊達政宗が都市計画を行った国なのだ。何時だったかのNHKのブラタモリが面白かった。

場所は1階。さて、そろそろ席に座ろうか。

 
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カレーからラーメンへ

2016-12-12 11:27:57 | 食べ物

 

久しぶりに、仙台のメディアテークに行ったので、お昼は近くのサマルカンドでカレーを食べようと言うことになった。サマルカンドは、メディアテークでの道路を挟んで隣のビルの2階だ。以前、昼食を摂ろうと外に出たら、高齢の男性が「日本一美味しいカレーの店だよ。」と客引きをしていた。その後ろに着いて行って、不思議な雰囲気のする店に入った。ご夫婦で店の切り盛りをしていたが、以前は世界中を旅して歩いたんだそうだ。サマルカンドは青の都で、私も一生のうち一度は行ってみたい都市だった。

2階への階段を上って店のドアの前に立つと「10月で店じまいをしました。」の張り紙がしてあった。ああ、残念な事をした。もっと早くに来れば良かったと嘆いた。

用事を足した後、山形への帰り道、愛子で仙台でも有名だと言う「みずさわ屋」へ寄った。時間が午後の1時半だと言うのに、店の前には行列が出来ていた。駐車場は満杯だ。道路でウロウロしていると、右側の看板の写真に乗っているイケメン店長がやってきて、他の店の駐車場に誘導する。あまりに客数が多いので、駐車場が少ないことが、トラブルにもなっているようだ。

店に入る前に注文を受け、かなりスムーズにラーメンに有り付いた。

独特の味のスープがタプタプ。煮卵は少し甘みがあり、酒田では食べられないラーメンだった。私はどちらかと言うと、酒田のラーメンの方が良い。

ラーメンと言うと、福岡の長浜の屋台で、「ご注文は?」「醤油味!」「ここにはありません。」の会話を交わしたNさんの事が思い出される。

 

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2016-12-12 11:14:41 | 動物・自然

朝日がまぶしい。肉眼では丸く見える朝日も、写真に撮るとこの通り、車のフロントガラスが影響を起こしていると思われる。朝起きが苦手な私は、なかなか朝日にはお目にかかれないが、綺麗なものだ。

夕日の美しさとはまったく異なる美しさである。

自分が運転していないのを良いことに、カメラを振り回す。

尾花沢から村山を見る。

虹が縦に見えた。

東根から高速道路に乗った。

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選挙

2016-12-12 10:34:22 | 社会

楽しみにしていた黒柿の種は、どうやら柿の実全体を木の枝についたままで渋抜きがされていたようで、種なしになっていて1個も見つけることが出来なかった。味は普通に美味しい柿の実だったが、植えて育てる夢は儚く消えた。

さて、選挙と言えばアメリカ合衆国の大統領選挙だが、国を二分する戦いの結果、トランプ氏が勝利した。人数的にはヒラリーの投票数が多かったとかで、未だに揉めていて、ヒラリーの票の多かったカルフォルニア州は独立するんじゃないかと盛り上がっている。投票した人数が多いのに、どうしてヒラリーは負けたのかは、合衆国の成り立ちと選挙のあり方が日本とは異なっているせいだ。カルフォルニアが独立できるかは、決して不可能な事ではない。合衆国は各々法律も違う州の集合体で成り立っており、選挙も州毎の結果が反映される仕組みになっている。その為、人口の少ない州で勝てば、大統領の選挙人が選ばれることになる。

選挙と言えば、山形県の県知事選も来年早々に行われる。前回は無投票、そして今回も無投票になる可能性が大だ。私は吉村知事を応援しているけど、個人的には無投票は良くないと思っている。全員が賛成ではないのに選ばれる。どの位の不支持数があるかがわからないのは、逆に不幸だと思う。彼女が行ったテディオ山形の社長の解任劇と、脱原発を掲げるあまりに山形県の森林資源を使ったバイオマスにシフトしたのも、もう少し深い考えがあれば良かったのかと思う。今までの吉村知事の欠点は、中央にパイプがなかった事か。それが先日、安倍首相とのツーショットの写真を公開したり、官房長官や二階氏との繋がりを鮮明にしたりと、世の中の流れに遅れる山形県ではないことを示した。これは岸さんが取り持ってくれた結果だと思う。自民党県本部は、首相に会うのも我々を通して行うべきだと曰った。

悲しいかな(?)山形県の自民党は一枚岩ではない。元凶は分かっている。県党本部の嫌がらせも、東京都連に比べても、なかなか酷いものだと思う。県知事選への擁立候補も模索したが、某女性議員の了承は得られなかった。ローカルニュースで見た彼女のコメントが面白い。「皆さんが決めれば、私は党の捨て石になって・・・。」は正直だけど、なんじゃらほい。そこは「山形県の為に、自分はこうしたい。」が先だろうが。それに、並み居る県議会議員の男性達の中で、手を上げる者はいなかったのか。女性の対抗馬だもの、女性でいいや。出来れば自分の保身は確保してと言う気持ちがあっただろう。

そして、吉村知事は選挙という将棋盤の上で、新たな一手を打った。県内の保守革新の捻れを利用してである。ブレーンが誰なのかは分からぬが、恐い一手だと思う。

 

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