偽満州国デッチ上げの関東軍に対する憎しみは中国人子々孫々に語り継がれるだろう。
最近読んだ「満州・誰の大地」佐藤吉彦著によれば、表面的には和解できても心の底にわだかまる日本への憎しみは何百年たっても消えることはないだろう。
満州国に関する著作は沢山あるが、日本人が現地人を蔑視して呼称した満人に近い立場であの時代を描写した作家はあまりいない。
主人公風見信之は現地語の新聞社に記者として勤務、中国語ができるので新聞社在籍のまま日本政府の宣伝機関「協和会」運動の宣撫工作隊に通訳として参加する。
関東軍の支援のもと現地民に満州国建国の意義・日本がお題目とした五族(漢・満・蒙・鮮・日)協和の精神・王道楽土の建設を目指し共に栄えようと満州人を懐柔する宣伝活動をしながら天然痘予防注射とか医療活動をする。
満州国とはなにであるか当時の民衆全然知らない。日満で大きなトラブルになるのは土地の買い上げ事業であった。日本は国内に溢れる余剰人口のはけ口として満州国に失業者・農村の次男三男の移植先として満州国に広大な土地を必要とした。
関東軍は対ロシア戦略として、退役軍人を中心とした開拓者を満州に配置することが国防上不可欠と考えた。
現地人が耕作している農地を強制的に安い値段で買い上げ、応じない農民には武力を行使し立ち退かせた。これに反対する勢力が匪賊として武力抵抗し日本軍を悩ますことになる。
風見は宣撫隊の通訳として土地取上げの現場を目撃することになる。新聞社の同僚満人記者と取材活動を通じて彼らの日本人観を知り、心に恥じながら付き合っていく。
日本人の中には心から満州の農民の幸せ生活の向上のため尽力するため協和会運動に身を投じる人たちもいる、その人たちも軍人と共同行動をすることで満州人の反発をうけ、軍人に異議を申し立て少しでも現地の人たちの役に立とうと努力する。
風見を宣撫工作活動に誘った田上誠一もその上司の小林も満州国に役立つと思い運動に参加し、農民の武装抵抗に遭い命を落す。
風間の同僚新聞記者の宋は一連の抵抗運動の取材を通し、日本軍の暴虐を見聞きし、次第に愛国心に目覚め農民たちの抵抗運動に参加していく。
宋が結婚を考える少女阿玉の苛酷な運命は満州の悲劇を象徴する。
彼女は日本軍の匪賊狩りで両親が殺され、阿玉の手違いで祖母の両目を潰し、祖母の憎しみを受け精神に異常をきたす。日本人沢に攫われ売春婦となり沢のなぶり者とされる。
宋や風見と一緒に故郷を訪ね、村人に宋との結婚を認めてもらい、その直前にまた日本軍の匪賊狩りに出会い、兄が殺され、彼女も暴行されて殺され死骸となって村にの送り返されるという目に合う。
なんともいえない運命である。
最近読んだ「満州・誰の大地」佐藤吉彦著によれば、表面的には和解できても心の底にわだかまる日本への憎しみは何百年たっても消えることはないだろう。
満州国に関する著作は沢山あるが、日本人が現地人を蔑視して呼称した満人に近い立場であの時代を描写した作家はあまりいない。
主人公風見信之は現地語の新聞社に記者として勤務、中国語ができるので新聞社在籍のまま日本政府の宣伝機関「協和会」運動の宣撫工作隊に通訳として参加する。
関東軍の支援のもと現地民に満州国建国の意義・日本がお題目とした五族(漢・満・蒙・鮮・日)協和の精神・王道楽土の建設を目指し共に栄えようと満州人を懐柔する宣伝活動をしながら天然痘予防注射とか医療活動をする。
満州国とはなにであるか当時の民衆全然知らない。日満で大きなトラブルになるのは土地の買い上げ事業であった。日本は国内に溢れる余剰人口のはけ口として満州国に失業者・農村の次男三男の移植先として満州国に広大な土地を必要とした。
関東軍は対ロシア戦略として、退役軍人を中心とした開拓者を満州に配置することが国防上不可欠と考えた。
現地人が耕作している農地を強制的に安い値段で買い上げ、応じない農民には武力を行使し立ち退かせた。これに反対する勢力が匪賊として武力抵抗し日本軍を悩ますことになる。
風見は宣撫隊の通訳として土地取上げの現場を目撃することになる。新聞社の同僚満人記者と取材活動を通じて彼らの日本人観を知り、心に恥じながら付き合っていく。
日本人の中には心から満州の農民の幸せ生活の向上のため尽力するため協和会運動に身を投じる人たちもいる、その人たちも軍人と共同行動をすることで満州人の反発をうけ、軍人に異議を申し立て少しでも現地の人たちの役に立とうと努力する。
風見を宣撫工作活動に誘った田上誠一もその上司の小林も満州国に役立つと思い運動に参加し、農民の武装抵抗に遭い命を落す。
風間の同僚新聞記者の宋は一連の抵抗運動の取材を通し、日本軍の暴虐を見聞きし、次第に愛国心に目覚め農民たちの抵抗運動に参加していく。
宋が結婚を考える少女阿玉の苛酷な運命は満州の悲劇を象徴する。
彼女は日本軍の匪賊狩りで両親が殺され、阿玉の手違いで祖母の両目を潰し、祖母の憎しみを受け精神に異常をきたす。日本人沢に攫われ売春婦となり沢のなぶり者とされる。
宋や風見と一緒に故郷を訪ね、村人に宋との結婚を認めてもらい、その直前にまた日本軍の匪賊狩りに出会い、兄が殺され、彼女も暴行されて殺され死骸となって村にの送り返されるという目に合う。
なんともいえない運命である。