年末の２つの衝撃

昨年末、近所の犬好きのおじさんが亡くなった記事を書きました。
→『クリスマスイブとおじさん』
話はその時にさかのぼります。

「もしかして、おじさん？」
と思われる訃報の回覧を見て、訃報の家の住所を調べている時、娘の携帯にメールが入りました。
娘は、
「えっ？えーーっ？」
と叫んでいます。
何事かと思いました。
少し前からパパのおじいちゃんが入院しているので、もしかしたら、おじいちゃんに何かあったのかなぁと思ったりしました。
メールを読み終わった娘は、呆然としています。
「Ａちゃんの旦那さんが亡くなったらしい・・・」
と言います。
Ａちゃんというのは、娘の中学の同級生です。
同じバレー部の仲間でした。

Ａちゃんの結婚式は私も印象深いものがあります。
というのもＡちゃんはテレビで結婚式を挙げたんです。
昼間のワイド番組だったと思いますが、番組のお助けコーナーにＡちゃんのお母さんが
「娘に結婚式を挙げさせたい。」
と応募しました。
Ａちゃんのお母さんは、女手一つでＡちゃんを育て、Ａちゃんが結婚する少し前に再婚されたばかりでした。
複雑な事情を抱えたＡちゃんのお母さんの手紙は、番組として採用されたようです。

結婚式は、Ａちゃんを驚かせるためにＡちゃんには内緒で、ご主人になる人とＡちゃんの家族だけが知っているという設定でした。
娘もその結婚式に出席して欲しいという連絡があり、指定されたホテルへ駆けつけました。
上手く呼び出されたＡちゃんは、思いがけない結婚式で感激の涙を流していました。
昼間の番組だったので私は録画で見ましたが、とても良い結婚式だったと思いました。

それから数年後、そのＡちゃんが、我が家の近くに引越してきました。
家を新築したようです。
Ａちゃんのご主人は、高校の先輩だとかで、年齢もそれほど違うわけではなく、家を新築するなんて若いのにすごいな～と思いました。
結婚当初は式も挙げられない二人だったのに、ずいぶん努力をしたんだなぁと思いました。

Ａちゃんには、二人の男の子がいます。
娘も男の子が二人。
Ａちゃんと娘は、よく近くの公園に遊びに行ったり、Ａちゃんのお宅にお邪魔したりして良いお付き合いをしていました。
Ａちゃんの方が、お子さんが大きいので、二人のお子さんからの服のお下がりを頂いたりもしていました。

普段、ご主人はお仕事でお会いすることはなかったと思いますが、Ａちゃんから、特にご主人の体調が悪いと言う話は聞いていなかったので、こんな突然の訃報は、事故だろうと話しました。
仕事が建築関係と聞いていたので、仕事での事故とか、交通事故とか・・・そんなことを家族で話しました。

訃報のメールの後、友達から電話があり、二人でＡちゃんの家に行って、事情を聞いてくるということになりました。
「あまり取り込んでいるようなら、会わないで帰ってくるから」
と言って、娘は出かけて行きました。

娘は、比較的早く帰ってきました。
そして、衝撃的な事実を知りました。
Ａちゃんのご主人は縊死でした。
しかも、ショッキングなことにそれを見つけたのは、小学校二年生の長男だったそうです。
土曜の朝だったので、のんびり朝寝坊をしていたＡちゃんですが、
「ママ！パパが大変なことになっているよ！」
と叫ぶ長男の声で、飛び起きたそうです。
あまりの事に呆然としているＡちゃんに長男は
「ママ、救急車を呼ばなくちゃ。」
と言ったそうです。
でも、それはすでに遅く、ご主人は帰らぬ人となりました。
リビングのドアノブに紐をかけての縊死でした。
Ａちゃんのお母さんは
「こんなに小さな子供を二人残して、無責任な・・・」
と言っていたそうですが、Ａちゃんは、
「でも・・・でもね。すっごく良い死に顔だったの。笑っているようだった。だから、これで、ほっとしたんだと思う。」
と言っていたとか。
確かに娘が見たご主人の顔は、おだやかで笑っているだったと言っていました。
仕事の事で悩んでいたようです。
二人の子供を残して自ら旅立ってしまったご主人に対するＡちゃんの言葉が私の胸の奥に残りました。

あれから、早いもので一ヶ月が経とうとしています。
Ａちゃんは、
「私はもうだいぶ落ち着いたけど、周り中で色々なうわさが飛び交っていて、それが子供たちの耳に入るのが心配。」
と言っているそうです。
事が事だけにあることないこと、噂が飛び交っているようです。
娘も、スーパーなどで同級生の親たちに会うと事情を聞かれるそうですが、
「知らない。わからない。」
と言ってそうです。



そして、Ａちゃんのご主人のお通夜を目前にした日、２つ目の衝撃が起こったのです。
長くなるので、それは次回に書こうと思います。