はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

懐かしいCD

2016年02月14日 | 出来事
先日、主人と買い物に行こうと車のエンジンをかけたところ、突然大音量で音楽が鳴り出し、びっくりして飛び上がりそうになりました。
「ごめん、ごめん。設定を間違えた。」
と主人は、音を低くして、
「この間、部屋を片付けていたら見慣れないCDが出てきたから、どんな曲が入っているか聞いてみようと思ってセットしたんだよ。」
と言います。
その時、流れていた曲は、藤井フミヤの『TRUE LOVE』でした。
懐かしいな~と思いながら聴きました。
そして、次は、今井美樹の曲。
そして井上陽水の『リバーサイドホテル』。
よく見ると、以前友達が送ってくれたCDでした。

『リバーサイドホテル』を聴いているうちに、弟の事を思い出しました。
息子がまだ高校生の頃でした。
毎年お正月には実家に行くのが我が家の恒例行事でしたが、その時に珍しく弟が
「みんなでカラオケに行こうよ。」
と言いだしました。
息子も娘もカラオケは好きなので、大喜びで弟一家と私たち一家で出かけました。
ところが、歌を歌うと言っても弟一家は誰も歌わない。
私の息子と娘が主に歌って、弟の奥さんも甥も姪もただ聞いているだけでした。
「せっかく来たんだから、歌えば?」
と何度も言いましたが、弟一家は、誰も歌おうとはしません。
でも、しばらくして弟が
「それじゃ、一曲くらいオレが歌うよ。」
と言って、陽水の『リバーサイドホテル』を歌いました。
上手くもなんともない歌でしたが、その時に弟が歌った唯一の歌だったので、印象に残りました。
あれから20年近くが経っているのに、今でもあの時の光景や弟の歌っている声が耳に残っています。

車の助手席にもたれてリバーサイドホテルを聞きながら、どうして弟はいなくなってしまったんだろう、どうして私は今こうして生きているんだろうと思いました。
父も母も亡くなり、弟も亡くなってしまって私一人残っているのが不思議でした。

去年のお正月は弟の喪中でしたが、葬儀の時に息子と姪たちの話し合いで、喪中ではあるけれど例年通り実家に集まろうということになりました。
娘たち一家も早めに田舎から帰ってきて、二家族で実家へ行きました。
弟はいなくなってしまいましたが、息子と姪のご主人とお酒を飲みながら楽しく過ごしました。

ところが帰りの車の中で、酔った息子と私が大喧嘩になり、長時間に渡って口論が続きました。
どうしてそういう話の流れになったのかは、忘れましたが、”人はいつどうなるか分からない”ということから、私は弟の事を話しながら声が詰まり、そのまま泣き出してしまいました。
すると、息子も
「オレだって・・・オレだって・・・」
と言いながら泣き出しました。
大人になって、息子が泣いたのを見たのは初めてでした。
息子にとって大好きだった弟なので、もしかしたら一人自分の部屋で泣いていたのかも知れませんが、人前でしかも大声を挙げて泣いたのは初めてでした。
それがきっかけで、私たちの喧嘩は終息しました。

その頃からかもしれませんが、息子は変わったなぁと思います。
丸くなったというか、私たち夫婦に対して友好的になったというか。
福島への旅行もその一つだと思います。
いくら甥の開店祝いという目的があったとしても、私たちと一緒に旅行をするなんて、以前の息子ではとても考えられないことです。
相変わらずあまり部屋からは出てこない息子ですが、それでも私たちに対する対応が素直というか、とげがなくなった感じがします。
弟の事があったので、私たち夫婦もいつまでも元気でいるとは限らないと思ったのかもしれません。
弟か見ていてくれているのかなと思ったりもします。

私が結婚してからお正月の実家行きは、毎年欠かしたことはありませんでしたが、今年のお正月は実家へは行きませんでした。
弟のいない実家へ行く理由がなくなってしまいました。

こんなことを書いている途中に、偶然にも弟の奥さんから電話がありました。
弟の三回忌の連絡でした。
あれからもう二年になるんだなぁ。
弟の奥さんの声が弾むような元気が声だったので、安心しました。
それも二年経ったということなのかもしれません。


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