よんたまな日々

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「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野昌午

2007年08月25日 | 読書
タフでハードボイルドな主人公が、やくざとか悪徳商法と戦う話

と、紹介してしまうとよくあるハードボイルド小説かと想いますが、実は叙述トリックミステリーです。
読み始める前に、うちの奥さんに、「この小説の最大の弱点は映画化できないことだね!」というヒントをもらっていたのに、全く叙述トリックであることを忘れて、楽しく読んでしまいました。
読んでいる途中は、「ダイ・ハード」シリーズの映画を見ているようなドライブ感覚で楽しめます。
タイトルは桜の下に死体でも埋まっているからかと考えていたのですが、このタイトルも実は叙述トリックのヒントになっていたりして。
しかも、叙述じゃないトリックもきっちり仕掛けてあって、そこで一度楽しんだ後、もう一度おいしいというお勧め小説です。


この小説、映画化できないか...
叙述トリックミステリーの代表として僕が思い付くのは、京極夏彦「姑獲鳥の夏」と殊能将之「ハサミ男」。京極の映画は見ましたが、殊能のほうもネットで調べたところ、映画化されてますね。
「姑獲鳥..」の映画化は、叙述トリックを成立させるために、密室の中を、出演者の証言という形で再現させていたし。ハサミ男はどのように映像化しているのか、ちょっと興味があります。
Wikipedia の「叙述トリック」という項目には映像作品でも叙述トリックができるというので、例もあがっていましたが、確かに朝日放送でやっていた「安楽椅子探偵」でも、叙述トリックとしか言えないようなネタがありましたからね。

本作品は、僕としてはアニメでやって欲しいですね。最後に正体がわかるところは、そう、「ハウルの動く城」のラストシーンみたいな感じで、ネタばらしをやってもらいたいところです。


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