うれしい贈り物

８月２１日のセイコーエプソンさんでの講演を聞いてくれた方からの
アンケートとその時の様子を映したＤＶＤを頂きました。

昨日、社内を巡回していたら、そのＤＶＤで私の講演を聞きながら、仕事を
している社員がいました。無理を言って、講演の様子を撮影して下さった
エプソンのＮさん、こんな風に活用させてもらっています。ありがとうござい
ました。

　　　　　　　　

さて、頂いたアンケートの中にいくつか質問があったので、ブログ上で
回答しちゃうことにします。

私の考え、そしてそれを見て、また別の人が何か別の考えがあったり、
また質問した方からの更なる質問、コメントなど、知の共有がブログ
上でできたら楽しいですね。


では、Ｑ＆Ａのはじまり、はじまり～

まずは講演前に事前にもらっていた質問からです。


Ｑ．活動をいい方向にもっていったきっかけなどがありましたら、
　　教えていただけるとうれしいです。

　Ａ．講演の中でも紹介しましたが、少し前にスコラの柴田さんに
　　　言われた

　　　　「磯輪さんの（本当はもう一人私をサポートしてくれている
　　　　　社員の「Ｎ君と磯輪さんの二人の」と言われたんですけど
　　　　　ね）価値観が変わったことが成功要因だね」

　　　つまり自分自身をまず変えようと思ったことだと思います。
　

Ｑ．組織風土は土台であり、それが良くなってあと具体的にどう人を
　　育てているのかお聞きしたい。

　Ａ．人を育てるなんてたいそうなことは私にはできません。
　　　そういうのって、すごく苦手だし、下手だと思っています。
　　　ただ人が育つ環境を整えるのは、ちょっとは得意かもしれません。
　　　風土が良くなれば、みんなが人を育てようというように、私も含めて
　　　社員みんなが自然に変わって来たような気がします。
　　　逆に言うと、それが風土改革なのかもしれませんね。

　
Ｑ．従業員一人一人にその気を起こさせるには、どのような方法で実施を
　　してきたか？
　　組織風土改革が一人一人に伝わっているという確認はどうされているか？

　Ａ．会社の状況、環境は、百社百様。だからその気にさせる方法も
　　　会社によって違うんだと思います。
　　　私が以前失敗したのは、借り物、物まねをしてしまったことだと
　　　お話ししたことを忘れないで下さいね。
　　　エプソンさんには、エプソンさんに適した方法があり、それは
　　　ＩＳＯＷＡの方法とは違うと思います。

　　　ウチでやったことは、先日講演でお話したようなことです。
　　　どれもたいしたことではありません。小さなことをコツコツ積み
　　　上げるだけです。

　　　付け加えるとすれば、仲間を好きになろうと、仲間に関心を
　　　持つことですかね。

　　　確認する方法は、ウチであれば、社長評価や社員満足度調査なども
　　　ありますが、実際、社員一人ひとりの顔、目、態度を注意深く見て
　　　いれば、分かりますよ。それが一番の指標だと思います。


以上が事前質問でした。では続いて、講演後にもらった質問へ突入します。


Ｑ．社長が局面でわかり易いKey Wordを上手に発信している
　　（ワクワク度、BoxDream、ダンボールレボリューション etc）
　　これは社長が考えた言葉ですか？

　Ａ．最初の２つは私が考えました。
　　　最後はプロジェクトのメンバーの発案です。略して「ダンレボ」
　　　（「ダンスレボリューション」と同じ略語になっちゃいました）


Ｑ．社長評価と業績は連動していますか？

　Ａ．そういうことはこれまで意識したことがありませんでした。
　　　さっそく確認してみました。その結果、特別な相関関係は
　　　ありませんでした。

　　　株式公開企業ではないので、株主のために利益を上げるという
　　　意識はまったくありません。
　　　「自分たちのために利益を上げる」とは、私だけでなく、社員も
　　　思ってくれていると思います。

　　　業績は社長の成績評価ですが、ウチで言うところの社長評価は
　　　それとはまた別の視点で社員に評価してもらっているつもり
　　　です。
　　　だから連動していない方が自然な気がします。


Ｑ．景気が悪い時、どうしても会社全体の元気が無くなり、引き締めも
　　強まるが、トップ/上司の行動でアドバイスは？

　Ａ．私は、業績が悪い時でも、努めて明るい情報を発信するように
　　　しています。「悪い、悪い」と言えば言うほど、社内は暗く
　　　なりませんか？　
　　　景気が悪い時ほど、みんな明るい、元気のいい話が聞きたいと
　　　思うんです。だから、
　　　
　　　　「明るく、元気で、ニコニコと」

　　　　「ツイてる、ツイてる」
　　
　　　そうすると、不思議なことに力が沸いて来て、ついには本当に
　　　良くなって来ますよ。試してみて下さい。


Ｑ．（会社、組織の規模が大きくなると官僚的になってくるが）
　　大企業になった時の対策は考えているのでしょうか？

　Ａ．規模の大きさでいう大企業ということであれば、その時のことは
　　　考えていません。

　　　ただ官僚的かどうかと、組織の大きさは関係無いと思います。
　　　小さければ、小さいで、逃げ場が無いっていう難しさもあるんじゃ
　　　ないでしょうか？

　　　私も、風土改革を始める前は、

　　　　「ウチみたいな同族企業で歴史のあるメーカーっていうのは
　　　　　一番条件悪いよな～」

　　　って思ってましたよ。みんな、自分が一番大変だって思い込んで
　　　しまうんじゃないですか。

　　　風土改革を始める時、「変わらなきゃ」と思う人は、どの組織にも
　　　同じパーセントで存在すると思います。
　　　つまり大きな組織であれば、「変わろう」とする人の絶対数はより
　　　大きくなります。仲間がたくさんいるっていうのは、心強いもんです。
　　　要は、多かろうが、少なかろうが、その仲間をいかに有機的につないで
　　　いくかが勝負だと思います。


質問は以上だったと思います。もし漏れがあったら、指摘して下さい。
必ず返事します。


これ以外に、いろんな感想ももらいました。

　「魂のこもった講演ありがとうございました」

　「話しぶりからも熱い思いが十分伝わってきました」

　「共感できる内容が数多くあり、良かった」

　「『企業は人』ということを実感できた」

　「元気が出た」

　「自分も何かに本気になりたいと思わされました」

　「やるネ！　社長！」

　　・・・

また印象に残った言葉として、

　「まず自分が変わる」

　「顧客満足より社員満足」

　「腹に落ちていなければ、相手に響かない」

多くの方がこれらの言葉を挙げてくれていました。


ある方は、

　「ＩＳＯＷＡは、外に対しても、内に対しても、密着軸で経営されている」

いいですね～　『密着軸』
とてもすてきな言葉を教えてもらいました。


講演の冒頭で、私が大学で講演した時、ある学生から、

　「４年間で初めて授業で眠たくなりませんでした！」

という感想をもらったことを紹介したからでしょうか、

　「寝ませんでした！」

というお茶目なコメントもありました。


実にうれしいコメントばかりで、正直、読んでいて、もったいなくって、
目頭が熱くなりました。

２時間近くお付き合いしてくれたセイコーエプソンのみなさん、本当にありが
とうございました。


ps 　 お土産に頂いたプリンターは翌日早速使いましたよ。
　　　こちらもありがとうございました。