前夜、大型受注成約の祝杯を挙げた時、
「明日はいよいよ帰国の日。朝お客様との朝食を兼ねたミー
ティングが終わると、それぞれ別のフライトでチリを離れる
ことになる。
私の帰国のフライトは夜の8時なので、ミーティング後、
サンチアゴの市内をプラプラしようかな」
と話したら、アンドレが
「市内見物なんか面白くないから、どうせならビーチへ行っ
たら?}
「ビーチ? こんな山に囲まれたサンチアゴのどこに海があるって
いうの?」
そこからアンドレがいろいろ説明してくれました。
サンチアゴって、東はアンデス山脈、西もそれなりの山々に囲まれた
盆地ですが、西の山を越えれば、もうそこは太平洋。そうだった、
チリって細長~い国だった。でもそんなに海に近いとはとても思え
ないんですね。
ということで、翌日、ガイド付のタクシーで出発。
ガイドは英語の先生もやっていたというロリ。娘が日本語を勉強した
いと言っているそうです。
車は西に向かって、峠を越えます。 越えると一面のブドウ畑。
そうです。チリワインの故郷です。
ワイナリーを見学して、もうひとつ峠を越えると、そこが今日の
目的地、バルパライソ。「天国へ通じる谷」という意味の街で、
街全体が 世界遺産 に登録されているそうです。
パルパライソはとても歴史ある港町ですが、山がすぐ背後に迫って
いて、その急な斜面に、トタン葺きだったり、崩れかかったレンガ
作りだったりの古い、そして貧しい、とても小さな家々が複雑に
折り重なってたっています。そしてその家々が貧しいんですが、
とてもカラフルにペイントされていたり、中には有名な芸術家が
壁にアートを描いた家まである。
そしてものすごい急斜面に街が広がっているので、町の人たちの
足として、アセンソールというこれまたガタガタ、ボロボロの
古~い木製のせいぜい10人乗り位のトロッコが全部で20本
くらいでしょうか、坂のあちこちを行き来しています。
乗るとミシミシ、ガタピシ、音を立てながらのぼりくだりします。
アセンソールもガタガタですが、その乗り場の建物も今にも
崩れそうなんです。でもこれが趣があるんですね。
こうした町並み全体が世界遺産に登録されるという珍しいケース
じゃないでしょうか。
パルパライソの岡の上でいろんなおみやげ物さんが並んでいました。
そこで、パルパライソの街並みをチリの特産の銅板にペイントした
ものを発見!
中央には港と船、左上には急な斜面を上るアセンソールも描かれて
いて、思い出にピッタリのお土産です。
この絵を描いたおじさんです。
最後にどうしてもみなさんに紹介しておきたいことがあります。
チリに行く人は特に心して読んで下さい。
チリで最初見た時、
「ウソだろう。何でこんなに小さいの~? こんなの見たことない」
と思いました。
「でもこれはきっとここだけの特別なケースで、チリのどこでも
ってことじゃないよな~」
と思いました。
でも違っていました。次の場所でも同じでした。
「こりゃー、絶対に『磯輪日記』で紹介しなきゃ」
と思い、命からがら(?)カメラに収めてきました。
「一体何のこと?」
そうお思いでしょう。答えはこれです。
男性用の便器です。どうです、みなさん。
こんな小さなの見たことないでしょ。
最初、便器だけの写真を撮ったのですが、
「これじゃあ、どれだけ小さいかわからないな~
何か比較できるものがないと」
ということで、もう一度、隣にあった洗面台と一緒のショットを。
私もトイレで2枚も写真を撮るのは、結構勇気が要りました。
幸運(ウン)にも、他に誰もいなかったからいいようなもの、
もし誰か突然入ってきたら、これかなりバツが悪いですよ~
見たか、これぞ磯輪英之の命がけのジャーナリスト魂
このピューリッツア賞もののワンショットをもって、南米出張
レポートを締めくくらせてもらいます。
最後までお付き合い、ありがとうございました。
その港町が,世界遺産の街で,こんなに魅力的な町だったとは
まずは,機械の無事到着を祝してチリワインで乾杯!
海辺の家々が派手な壁色でカラフルにペイントするのは、漁師が海上でも自分の家を見分けるためだといいます。
ベニスのブラノ島というところでも同様のカラフルハウスが並んでいるそうですが、この町もそうなのかもしれませんね。
自分の家を目指して荒れた海から港に帰ったのかなぁと思うと単に派手な壁とは違って見えます。
そうですか!
ちょうど太平洋を挟んで、日本の真反対ですからね。
海岸に出た時は、
「あ~、この海のはるか向こうが日本か~」
と、ちょっと感慨深かったです。
その海を渡って、我が社のマシンが活躍すると考えると、ワクワクしますね。
このバルバライソのすぐ隣に、ビーヤ・デル・マールという町があるのですが、こちらはチリのアカプルコとかなんとか言われる町で、要は豪華なリゾート地
です。
でも私はバルパライソの方がはるかに趣があって好きでした。これも猟師の想いがあるからなんでしょうね。
人間は集中力ですから。
ゴルフでも、上級者はスウィート・スポットの小さいクラブを使います。
それよりも、本場でチリ産の美味しいワイン飲みたいな。
CABERNET種の重い赤が飲みたい~。
僕ならきっと飲みすぎて、トイレに駆け込み、集中力を切らして・・・
それ以上言って、磯輪日記の品を落とすのは止めます。
集中力ですか! それならいっそもっと小さくした
ものを開発したら、売れるんでしょうか?
でも小さいと、何だかちょっとさみしい気持ちに
なりますよ。
トイレと集中力の法則。
イケメンとシャツ・イン・パンツの法則に続く、
ノーベル文化賞候補ですね。