堤真一主演の『孤高のメス』を見ました。
看護婦(夏川結衣)が突然亡くなり、その息子が母の遺品の中から彼女の
日記を発見し、それを読んでいくという形で、映画はスタートしていきます。
夏川結衣が勤務する地方の病院に、アメリカ留学帰りの外科医 堤真一が
転勤してきて、一緒のチームとして手術に臨むことに。
医療レベルの低い地方病院で、初めて見る脅威の手術手腕と、手術に向かう
真摯な姿勢に、仕事に嫌気の差していた夏川はすっかり魅了され、看護婦と
しての役目に真正面から取組めるようになる。
そんな折、生体肝移植でしか救えない患者が現れた。
子どもが交通事故で脳死状態になった母は、「他人の役に立つ」ことを
将来の夢としていた息子の遺志を尊重し、息子の臓器提供を申し出る。
未だ、脳死生体移植は法律的に認められていない時代。
自分の名声を得るための売名行為だという同僚、マスコミからのバッシング、
「殺人」だと詰め寄る警察。
しかし堤は、
「すべての責任は私ひとりが背負います。
私はただ目の前で苦しんでいる患者を救いたいだけ」
と決意して、手術に臨みます。
これが映画かと思うほど、迫真の手術シーン。
摘出される臓器は、本物がどんなものか知らないのにこんなこと言うのは
ヘンですが、「まるで本物」です。
そして手術室の中でかもし出される実に張り詰めた空気感。
それを演じたのが堤真一と夏川結衣。
迫真の緊張感。
現代の様々な医療問題が凝縮された映画。
淡々と進むのに、逆に心は熱くなる。そんな映画でした。
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