69歳から13歳へ

 

私の誕生日の夜、出掛けたフレンチレストラン。

宝石のよう。

これ、デザートじゃありません。前菜です。

甘エビ昆布締め  ガスパッチョ仕立て　とメニューにあります。

昆布の出汁が効いていて、洋食なのに和食のような、ハイブリッドな味わいでした。

 

食事が終わり、近くの駐車場まで歩くと、風がとっても心地よかった。

駐車場のある路地が、静かで、落ち着いた雰囲気だったので、

 

　「車をここに置いておいて、少し散歩しようか」

 

で、路地を東に向かって歩いていたら、左に曲がる路地があって、その突き当りに

公園が見えました。

 

　「せっかくだから公園立ち寄ってみようよ」

 

公園に近づくにつれ、

 

　「ここって、もしかしたら、上野公園？」

 

その通りでした。上野公園でした。

で、思わずバス停を探しちゃいました。　

ちょっとだけ広めの道に面して、ありました、ありました。バス停  上野公園。

 

　　　　

 

懐かしい～！！　　名大附属中学に入学して、バス通学が始まりました。
初めてバスに乗ろうとバス停でバスを待っていましたが、やって来たバスは超満員。

結局、毎朝、7時頃のバスじゃなければ、乗り込むことすらできませんでした。

自宅の最寄り駅から、母校に向かうためには、一度、池下でバスを乗り替えなきゃ

いけません。その沿線上には、いくつもの学校があって、バスの中には、いろんな

学校の生徒が乗り合っていました。

 

そして池下の少し手前で、イチローの母校、名古屋電気工業高等学校と、名古屋女子商業高等学校の怖そうなお兄ちゃん、お姉ちゃんたちが

そろってドッと降りるバス停がありました。そこまで来ると、バスが空くので、いつも

ホッとしたものです。毎日、待ち焦がれたバス停だったので、強く印象に残っています。

 

それがバス停・上野公園でした。

 

私も、途中から地下鉄通学に変わり、かつこのバス停は、本来はバスが通らないような

細い道にあったので、もう何十年と通ったことがありませんでした。

 

それが、私の69歳の誕生日の夜に、私の目の前に現れました。

半世紀以上前の中学時代にタイムスリップしたみたいな気分でした。

神様がくれた誕生日プレゼントだったかも。

 

時刻表をのぞき込んだら、日中は１時間に１本しか走っていません！

やっぱり５０年以上経ったんだ・・・

 

バス停の上から射しているのは、半世紀前の世界からの光だったのか・・・