医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

統合失調症の補助療法候補のDHA・EPAとグリシンについて その二 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2022-12-04 10:19:57 | 健康・病気

DHAとEPAを含む魚油は、ある人々では、冠状動脈疾患(心臓病)になるリスクを下げるが、コレステロール値を高めるという報告もあります。また、2型糖尿病患者では、血糖値を下げる人もいれば、高める人もいるという報告もあります。なお、糖尿病薬を飲んでいる人は、EPA・DHA(栄養素))の摂取量を減らす必要があるという研究もあるので、これらに詳しい専門家への相談が必要です。また、魚油には血液をサラサラにする作用もあります。統合失調症患者の標準摂取量は1~4g/日の魚油ですが、他の疾患を併発している場合は体調や臨床データを参考にしながら、摂取量を大幅に減らす必要があります。

次に、いろんな研究によると、統合失調症患者にグリシン(栄養成分)を摂取してもらい、その症状が改善されたという報告もあります。その場合、投与量が40~90g/日と大量であり、長期摂取では副作用が出る人もいると考えられるので、安全な投与量まで減らす必要があり、ナイアシン(栄養素)とEPA・DHAと併用することにより、その必要量を減らせる可能性があります。これに関しての研究が待たれます。なお、これらの栄養素や栄養成分が統合失調症患者の福音になることを願っています。

References

Scott Olson. Integrative therapies for schizophrenia. Alterative Mental Health 2016/5/12

Polysaturated fatty acid supplementation for schizophrenia. Cochrane. 2016/5/12

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