ポンペイの家々の床には、さまざまなモザイク装飾がほどこされていますが、
このモザイクは、ある意味ではポンペイで一番有名なモザイクかもしれません。
ポンペイに一度もいったことがない、という人でも、
絵葉書や写真などで一度は見たことがあるのではないでしょうか。
このモザイクは“悲劇詩人の家”と呼ばれる住居跡の玄関部分にあり、私たちが訪れたときも人だかりがあったので、
場所はすぐにわかりました。
実物は、絵葉書などで見るより退色して損傷も激しく、
「犬に注意」という文字もはっきりとは読み取れませんでした。
が、あちらこちらでこのモザイクをモチーフにしたお土産が売られていることからも、
知名度の高さがうかがえます。
現代のポンペイの犬たちはといえば、暑さのせいもあるのでしょうが、どことなく覇気がないように感じられます。
もちろん、食事に不自由しない飼い犬と、その日暮らしの野良犬との違いはあるのでしょうが…。