ヴァチカン美術館でもっとも有名な絵画のひとつ
「アテネの学堂(Scuola di Atene)」があるのが、この「署名の間」です。
この絵については、いまさら私が説明する必要はないでしょう。
こちらは「アテネの学堂」の向かいにある「聖体の論議(Disputa del Santissimo Sacramento)」です。
同時代の画家の長所をすぐに取り入れて作風が変わり続けたラファエッロですが、
この絵は師匠であるペルジーノの影響が感じられます。
天井画も、もちろんラファエッロ。ここでは、聖母子像を描くときのような柔らかなタッチが見られます。
たった一人でシスティーナ礼拝堂の天井と向き合っていたミケランジェロとは違い、
弟子たちを指揮し、自分自身で筆をとることは少なかったといわれているラファエッロですが、
この部屋に関してはほぼ1人で描きあげたようです。
器用で遊び人だったラファエッロ。ミケランジェロやダ・ヴィンチとの生き方の違いが、
仕事への取り組み方にもあらわれているのでしょうか。