カナル・グランデの出口、
税関の並びにある八角形の美しい建物が
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会です。
この教会は、
17世紀に大流行したペストが終結したことに感謝して
聖母マリアに捧げるために建てられた、
ヴェネツィアでは比較的新しい
バロック様式の教会です。
左の写真ではわかりにくいのですが、
クーポラ下部のアーチの脇の柱から、
まるでロールケーキをスライスしたような
渦巻き型のフライングバットレス風の
装飾が突き出ているのが
独特のアクセントになっています。
内部は比較的シンプルですが、
聖具室ではティツィアーノとティントレットの競作も
見どころのひとつです。
しかし、なんといってもこの教会がもっとも映えるのは、夕暮れ時でしょう。
夕日をあびて白大理石がピンクに染まる姿は、ヴェネツィアでもっとも美しい風景の一つだと思います。
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塩野 七生,宮下 規久朗 | |
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