ヴェローナは、夏の間「アイーダ」などの野外オペラが上演されることでも有名です。
この野外オペラが上演されるのは“アレーナ”と呼ばれる古代ローマの円形闘技場跡です。
アレーナには、もともとはローマのコロッセオのような外壁があったのですが、
壊されて内壁がむき出しになっています。
「ロミオとジュリエット」に代表されるように、中世の印象が強いヴェローナですが、
実は古代ローマ時代から重要な都市として発展した長い歴史のある街なのです。
“アレーナ”の他にも、ローマ劇場跡、ローマ時代の門や橋などが残っており、
街を掘り返せば、いたるところにローマ時代の遺構が現れるそうです。
こんな風に実際に掘り返してある場所もありますが、
ローマ時代の広場の上にさらに中世の広場が造られている場所もあり、
そのすべてを発掘調査するわけにはいかないようです。
“アレーナ”は旧市街のほぼ中心、ブラ広場に面して建ち、街のシンボル的な存在となっています。
イタリアには、ローマのコロッセオをはじめとして数多くの古代ローマ時代の円形闘技場が残っていますが、
この“アレーナ”は、規模の点でも保存状態の点でも国内有数のものです。
また、夏の間はオペラの劇場として、
そのほかの季節にもコンサートの会場などとしても利用されているユニークな遺跡です。
私たちが訪れたときにも、コンサートの舞台装置などが撤去されずに残っていました。
また、ここでは観客席や闘技場の様子だけでなく、
観客席の下を通る通路なども
直接歩きながら見学することができます。
通路には赤いカーペットが敷かれ、
暗いところには照明も設置されているので、
古代ローマそのままのようすが
再現されているわけではありませんが、
実際にどう使われていたのかを
イメージしやすくなっています。
ローマのコロッセオとは
また一味違った面白さがありますよ。
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