マテーラの教会といえば、まずドゥオーモ、
さらに岩山をくりぬいて作ったサンタ・マリア・ディドリス教会が有名ですが、
そのほかにも個性的な教会が多くあります。
まずは、洞窟教会。
代表格はカヴェオーゾ地区にある
サンタ・ルチア・アッレ・マルヴェ教会です。
薄暗い洞窟の中には、
壁面にフレスコ画が描かれています。
マテーラの教会の
プリミティブな形態がよく残されていて、
華美なドゥオーモとは
まったく違った意味で
心ひかれるものがありました。
湿気の強い洞窟の中は、カビの繁殖がものすごく、壁画を保存するのは並々ならない努力があるのでしょう。
そして、サン・ピエトロ教会。
実はマテーラには、2つの地区にそれぞれひとつずつのサン・ピエトロ教会があって、
それぞれの地区の名前をつけて呼ばれています。
こちらはサッソ・カヴェオーゾ地区の一番低い場所にあるサン・ピエトロ・カヴェオーゾ教会です。
バリサーノ地区にはまた別のサン・ピエトロ教会があります。
中世以前の古くからの教会と、バロックの教会。
よく見ていくと、マテーラにはこの2つの時期の教会が多く残されていることがわかります。
異教徒からの迫害を逃れて隠れ住んだ人々と、近代になっても洞窟住居に住み続けた人々。
時代は違っても、心の支えになっていたのは教会だったのですね。