まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

袈裟の話・輪袈裟・畳袈裟・式章など

2011年10月10日 | たまには真剣な研究なども

 四国遍路に出るとき、必ず揃えるものの中に、輪袈裟(わげさ)がある。また、仏教徒の方なら、檀家寺から何かの記念にもらったりした輪袈裟があるのではないだろうか。四国遍路の場合は、その輪袈裟に刺繍で「四国八十八寺・・」などの文字がはいっているものもある。

 

 以前に、あるお寺に、「念珠と袈裟をしていないものは、参拝者と見なさない。」という張り紙を見たことがある。厳しいお寺だなぁと思ったが、「輪袈裟は、お参りの正装」であるというのは、当然のことかも知れない。
 それでは、袈裟・輪袈裟というのは、いったいどんなものなのだろうか。

 

 輪袈裟(わげさ)は、僧侶が首に掛ける袈裟の一種で、作務(さむ)や移動の時に用いるのが一般的である。本来の五条袈裟を小さく折りたたんだものをいい、上図のように全くの輪になったものを「輪袈裟」というが、輪袈裟(りんげさ)や畳袈裟(たたみげさ)と呼ばれることもある。

 形状は大別して2種ある

  • 畳輪袈裟とは、一枚の大きな布を幅6cmほどに折りたたんで輪にしたもの。大きさは五条袈裟とほぼ同じであり、簡易的な物として広げて五条袈裟の代用として着用する事もできるが、実際にそのような形で着用される事はほとんど無い。
  • 折五条 (おりごじょう) 五条を細長く折り畳んだもので、畳袈裟(たたみげさ)折袈裟(おりげさ)とも言うが、 実際には五条袈裟そのものを折り畳むことは出来ないので、畳んではありますが、表面だけしっかりした生地で、中は薄手の生地になっています。日蓮宗系統ではこの袈裟を左肩からたすきの様にかける独特な使い方をしている。

 

  • 略輪袈裟とは、表生地を二つ折りにしたもの。

 

 折り五条をさらに簡略化したもので、通常はこちらが圧倒的に多い。

 ・半袈裟 (はんげさ) 輪袈裟をさらに略したものです。輪を半分にして紐で連結したものです。
 俗に輪袈裟といえば、これのこというようだ。

 

 僧侶用の輪袈裟と違って、長さが短く、下部に紐状のものが付いている。これを半袈裟といい、お遍路用の輪袈裟はこちらに当たる。こうしたものは僧侶以外が着用するもの。

    

 これは、浄土真宗で使われるもので「式章」と呼ばれるもの。左から、お寺の奥さんが使う「坊守式章」真ん中が寺の家族がかける「寺族式章」右が総代さんが着用する「総代式章」と呼ばれるもの。

 一般の信徒のかたが法要や本山参詣時に用いるのが「門信徒式章」というもの。

 

 で、私たち僧侶がつけるものでも、法要などの制服代わりに着用する「記念略袈裟」というものがある。

 

 本山の法要などでは全員が同じ略袈裟をつけているのは気持ちのいいものである。

 ご門主は、さらに幅が広くて金襴の鳳凰の刺繍のある「門主袈裟」を着用している。

 

 単に「輪袈裟」と言ってしまうが、種類や宗派によってもさまざまなお袈裟があるということである。

 お袈裟についての動画はこちら=>>★

  天台宗や真言宗では袈裟の中に仏さまの種子を入れて仕立ててある。そこで形は輪袈裟でも種子袈裟(しゅじげさ)とか呪字袈裟(じゅじげさ)と呼ぶこともある。

 
 
  結袈裟 (ゆいげさ) 修験道独特の袈裟で、九条袈裟の変型です。梵天が付いているものを梵天袈裟と呼びます。背中に「修多羅(しゅたら)」と呼ぶ飾り紐が付いている場合は修多羅袈裟といい、宗派的には、天台宗系が梵天袈裟で真言宗系が修多羅袈裟を多く利用するようである。

  威儀細 (いぎぼそ)というのは、浄土宗系統で使われる袈裟で、エプロンのような形をしている。

  

   絡子 (らくす)というのは、上右のように、威儀細に似た形で、片方に輪を付けた袈裟で、禅宗系統で使われる。作務(さむ。労働)を重視する中国の禅宗では、袈裟を着けていては邪魔になって仕事にならないので、  絡子(らくす)という前掛けのような物が作られた。

 袈裟の語源はサンスクリット語のカーシャーヤ(Kasaya)で、もともと〝濁った壊色〟という意味。インドの僧団では、法衣の色をこの壊色に定めたため、仏教者が着る服・法衣そのものを「袈裟」と言うようになった。日本に限らず、大きな袈裟を着けています。これはお釈迦さまが出家当時身につけていた衣が、ボロボロの布をつなぎ合わせたもので、赤褐色の粗末な衣だった事に由来しています。中国では「糞掃衣(ふんぞうえ)」と漢訳され、これらはいずれも衣服についての欲望を制するために一般の人々がかえりみない布を使用した物と言われている。

 そして輪袈裟の起源は僧侶が身に付ける袈裟の略式と言われており、袈裟を折りたたんで首に掛けたのだ始まりといわれていたり、輪袈裟と半袈裟の区別も宗旨宗派によって諸説があるが、いずれも一般檀信徒の皆様が仏さまを礼拝する折に身に着ける「正装」ということには共通しているようである。

じゃぁ、また。


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