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山本正道「時をみつめて」 ユカンボシ川河畔公園彫刻広場(5)

2020年05月26日 09時24分03秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 恵庭市の緑に覆われた公園にある野外彫刻を紹介するシリーズの4作目。

 山本正道さんも、1941年京都府生まれで、神奈川県在住ということで、北海道ゆかりの作家ではありませんが、名の知れた彫刻家です。
 そして、2009年には札幌芸術の森美術館で個展を開いていること、JR北広島駅の構内や、芸森の駐車場から芸術の森美術館へと向かう木立の中に、作品が設置されていることから、植松さんにくらべれば道内では知っている方が多いかもしれません。

 図録の年譜を引いておきます。


1965 東京芸術大学彫刻科卒業(67 同大学大学院修了)
 68 イタリア政府給費留学。
   ローマ美術学校・P. ファッツィーニ教室で学ぶ(~'71)
 73 新制作協会会員となる
 76 第5回平櫛田中賞受賞
 78 第9回中原悌二郎優秀賞受賞
 83 第10回現代日本彫刻展で京都国立近代美術館賞受賞・神奈川県立近代美術館賞受賞
 92 二人展(吉田克朗/山本正道)(神奈川県立近代美術館)
 95 東京芸術大学教授となる
 98 第25回長野市野外彫刻賞受賞
 99 国内巡回展(4会場 ~2000)
2000 第31回中原悌二郎賞


 中原悌二郎賞は旭川市が主催している彫刻の賞で、植松奎二さんと同様に山本さんも、優秀賞を受賞した後で、本賞を受けています。



 ところで、山本正道さんは、この台地だけでなく、近くの石の橋もふくめてひとつの作品としているようです。
 うかつだったことに、橋をちゃんと見てきませんでした。画像もありません。

 抽象的な風景のなかに小さな人物を組み合わせた、きびしい造形感覚と叙情性を兼ね備えた山本さんの作風からすると、台地のかたちだけではいささか物足りないな~と、正直なところ現地で感じていたので、図録を入手してから
「なんだあ」
と思ったのでした。
 台地だけだと、量感のあるふつうの抽象彫刻ということになります。それでもダメではありませんが、白い小さな橋もワンセットで見るのが正しいようです。

 ちなみに橋は花崗岩。
 台地はブロンズで、高さ126.5×175×139センチ。

 恵庭駅東口にも「すずらんに寄せて」という作品が設置されています。

 
関連記事へのリンク
山本正道・新渡戸稲造像
山本正道「森と少女(誕生・成就)」

山本正道展 ■続き (2009)


恵庭市のユカンボシ川河畔公園彫刻広場
佐藤忠良「えぞ鹿」
渡辺行夫「ドン・コロ」
植松奎二「樹とともに―赤いかたち」
山本正道「時をみつめて」
丸山隆「Cube」
山谷圭司「にぎやかな遡行」




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