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■2008日本画の「現在」展=つづき (8月17日まで)

2008年08月15日 00時00分05秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
承前

 おおむね陳列順に紹介しているが、冒頭の画像は、若手の代表格である朝地信介「成長する構造 III」F150。

 もう1点、「或る表現型 I」(M100)も出品。

 具体的な形象が画面から消え、運動とか、きしみのようなものが、そのまま描き出されているようだ。




 平向功一は、バベルの塔を題材にした寓意的な絵で知られる。
 今回はいずれも動物が主人公。それぞれの背中にのせている木製の歯車や器械類が、バベルの塔の時代のなごりを感じさせる。
 左から
「ワンダーランド ~カメレオンアーミーの逆襲~」S100
「ワンダーランド」F50
「ワンダーランド ~竜宮への招待状~」S80

 「カメレオンアーミー」って、ピンクレディのヒット曲だなあ。なつかしい。
 カメレオンの舌がまきついているのが、国会議事堂の塔に見える。このへんのちょっと皮肉っぽい感じが、この作者らしい。

 それぞれの作品で、画面下部を占める黄色い建物には、ガーゼのような布がコラージュされている。


          

 駒澤千波「昼が一番長い日に」 175.0×110.0(3枚組み)

 3枚のうち中央は、ことしの「北の日本画展」で発表済みのパーツ。
 そのとき筆者が「象の鼻のような物」と書いたものは、水牛の角であったことが、これで明らかになった。
 右下のウサギをクローズアップしてみると…。

                 

 やっぱり、トンボのような羽がはえているのであった。

 若者の自立と不安の感情を卓越した描写力で表現しつつ、さりげなく想像上の動物も描き入れている。

 のこる3人は、この手のグループ展などでもほとんど注目されることのなかった作家であり、企画者の目の確かさが光っている。


           

 小林文夫「叢」 180.0×130.0
 もう1点、おなじ大きさの「寒」も出品。

 この人については、「北の日本画展」でも注目していたが、北の風土に、地道かつ誠実に向かい合っている人だと思う。
 図録によると1955年、京都府宇治市生まれ。中野邦昭に師事しているとのこと。


           

 西谷正士「間垣の里」 181.8×227.3
 図録によると、1963年金沢生まれ。金沢芸術工大で日本画を専攻した。
 この人も、風景のダイナミズムやロマンティックな面を強調するのではなく、北の風土の実相を、虚飾抜きで見つめようとしているのだろうか。


           

 最後は内崎さき子「八ツ目鰻漁の頃」F100(左)、「冬のアカシア」F120。
 1937年生まれというから、ことしで71歳だが、千葉晃生に師事して日本画を始めたのは83年、道展初入選が2003年というから遅咲きの女性だ。
 画面は、派手さはないが、小林や西谷と同様、低い目線で北の風土と自然をとらえる着実さをたたえていると思う。




08年8月12日(火)-17日(日)10:00-19:00(最終日-17:00)
スカイホール(中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階 地図B)

リンク先は、前のエントリを参照。

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