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【告知】東京の府中市美術館で木田金次郎展 (2018年7月21日~9月2日)

2018年07月24日 23時14分00秒 | 展覧会等の予告
 すみません、もう始まっています。

 日本の近代文学を代表する作家、有島武郎(1878~1923)の小説「生れ出づる悩み」の主人公のモデルとなった、後志管内岩内町の画家、木田金次郎の個展が、東京都の府中市美術館(府中市浅間町1-3)で開かれています。
 「生れ出づる悩み」の出版100年を記念した展覧会。北海道の美術好きでは知らぬ人のない木田金次郎(1893~1962)ですが、生前、とくに戦前・戦中はほとんど発表をしていなかったこともあって、有島武郎の愛好者にはよく知られていても、美術ファンにはそれほど有名とは言えないかもしれません。木田の作品が本格的に道外で紹介されるのは約40年ぶりとのことです。

 主催は、同館のほか、後志管内ニセコ町有島記念館や岩内町木田金次郎美術館などでつくる「有島武郎・木田金次郎プロジェクト実行委員会」などです。



 木田は岩内で漁師をしながら絵を描いており、ある日、札幌農学校(のちの北大)で教鞭をとっていた有島の自宅の門をたたきます。
 有島は木田に、上京せずに郷里で制作を続けるように助言し、木田も、有島の死後もその教えを終生守って岩内の地を離れることなく絵筆を執り続けます。
 激しくたたきつけるような、生命力のあふれる風景画や花の絵は、戦後になってようやく注目されるようになり、朝日新聞社の主催で、全国で個展が開かれます。
 晩年、岩内大火で、数千点ともいわれる自作を失う悲劇に襲われますが、それでも創作をやめませんでした。現在残っている代表作のうちかなりの部分は、最晩年に描かれたものです。

 …という木田の生涯については、道内の美術ファンはよくご存じかと思います。

 展示される木田の作品は約80点。岩内町の木田金次郎美術館をはじめ道銀や道立近代美術館などの所蔵品です。
 また「生れ出づる悩み」に触発された北海道の若手美術家、福井で炭焼きをしながら描き続けた孤高の画家・渡邊淳らの作品をあわせて紹介します。


 展覧会の日程は次の通り。
2018年7月21日(土)~9月2日(日)午前10時~午後5時(展示室入場は4時半まで)、月曜休み
一般700円、高校・大学生350円、小中学生150円

 会期中の関連事業は次の通り。
・ギャラリートーク
 7月21日(土)午前11時、8月5日(日)午後2時
 伊藤大介・有島記念館主任学芸員、岡部卓・木田金次郎美術館学芸員

・20分スライドレクチャー 
 7月29日(日)、8月12日(日)、26日(日)、9月1日(土)午後2時

・中学生のためのヴァイオリン・コンサート
 8月4日(土)午後3時
 川畠成道氏

・展覧会講座「それぞれの『生れ出づる悩み』 有島武郎と木田金次郎」
 8月18日(土)午後2時~3時半
 鎌田亨学芸員






 なお、出版100年記念「有島武郎『生れ出づる悩み』と画家・木田金次郎」展は、次の日程で道内を巡回します。

10月13日(土)~11月4日(日) JRタワー・プラニスホール

11月23日(金)~12月16日(日) 有島記念館

2019年1月12日(土)~3月31日(日) 木田金次郎美術館


(府中市美術館は京王線府中駅から約1.7キロ、徒歩22分、または「ちゅうバス」多磨町行きで「府中市美術館」降車すぐ。京王線東府中駅から約1.4キロ、徒歩17分、または「ちゅうバス」府中駅行きで「府中市美術館」降車すぐ)


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