北海道美術ネット別館

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■Photographic exhibition -Storyline- by four photographers (2019年1月30日~2月11日、札幌)

2019年02月11日 11時59分23秒 | 展覧会の紹介-写真
 写真4人展。
 シチュエーションも絵づくりも、かなり作りこんだ作品が並んでおり、すなおに感服してしまった。気軽なスナップとは正反対の、高水準の写真が並んでいる。


 津村明彦さんは擬古典的な雰囲気の漂う女性のセミヌードや、後姿のヌード。
 白い布を頭からかぶった女性と、古い壁のような風合いの背景が重なり合っている。カラーなのに、19世紀の古い写真のようだ。
 どこか泰西名画のようなたたずまいは、服部冬樹さんを連想させた。

 Nobu Ishiyama さんはカラーとモノクロ各2枚による「memories」。
 右から左へと見ていくと、室内にいる美女が、屋外に出て、スキー場が遠くに見える冬の道をひとりで歩いていく―というストーリーがぼんやりと浮かんでくる。マレーネ・ディートリッヒの映画「モロッコ」のラストシーンといったら大げさかもしれないが、ストーリーが明示されているわけではないのに物語性が感じられるのだ。
 とくに3枚目、自動車の屋根の上に花束が載せられているのと、女性がいっしょにフレームインしている1枚が印象的。

 海外に活躍の場を広げている吉田肇さんは、アリアンス・フランセーズ札幌の個展での、バレエを題材にした斬新な写真も記憶に新しい。
 今回は5人の女性モデルのポートレート。独特の雰囲気というだけでは言葉足らずだが、華やかな美しさよりもクールな透明感が伝わってくるのは、デジタルカメラの色温度を低めに設定しているせいだろうか。
 青みがちょっとだけ強いのに朱色のコートを女性に着せるのは、ある意味すごい。

 最後に、富士フイルムフォトコンテストのフォトブック部門で全国一に該当する「大賞」を射止めた吉川優子さん。
 笑ってしまいました。
 被写体はオレンジ色のドレスを着てバイオリンを弾く女性なんだけど、焼き鳥店や飲み屋さんのカウンターなどで弾いている。まわりではほかの人がふつうに飲んでいたり仕事をしたりしている。
 このシチュエーションがおもしろい。どうしてこういうことを考え付くのかなあ。発想力にびっくり。


2019年1月30日(水)~2月11日(月)午前11時~午後8時(最終日~6時)、火曜休み
カフェ + ギャラリー・オマージュ(札幌市中央区南1西5 プレジデント松井ビル100)

http://raysapg2015.wixsite.com/ray-sapg


https://akihiko-tsumura-photography.webnode.jp/

http://nobuphotography.jp

□Hajime Yoshida Official website https://www.hajime-yoshida.com

Dans les coulisses du lac des cygnes Exposition de photographies Hajime Yoshida 吉田肇写真展「バレエ白鳥の湖~舞台裏の景観」(2018)


吉川優子写真展 SOLITUDE~ひとりぼっちの白馬の物語 など (2017)
吉川優子写真展「アモーレがいっぱい」 (2016)



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