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桝本佳子「五重塔/壷 ほか」 あいちトリエンナーレ : 2019年秋の旅(38)

2019年11月04日 17時16分32秒 | 道外の国際芸術祭
(承前)

 初めの方ですごい展示に出合ってしまい、それはそれでもちろん良いことなのだが、正直なところ
「このペースで続いたら、こっちの身がもたんなあ」
という気持ちも少しあった。

 だから、モニカ・メイヤーの次が、この人の作品でかなりホッとした。
 へんてこな(ほめ言葉です)陶芸ばかりが並んでいたからだ。
 見て回りながら、クスリと笑ってしまう。国際芸術祭にはそんな作品も必要だろう。

 冒頭画像の左端は、壺と五重塔が合体している。
 壺も五重塔もこれまでおびただしい数が作られてきただろうが、わざわざ一緒に造形した例はほとんどあるまい。

 絵画や立体が19世紀後半から自由を求めて表現の領域をどんどん拡張していったのに対し、陶芸は全体的に伝統を墨守する傾向が強かったことは否定できない。
 20世紀後半に入って日本では走泥社や鯉江良二らの試みなどがあり、陶芸の表現も飛躍的に広がってきている。
 ただ、正面切った前衛ももちろんいいが、こういう
「何か、ヘンだぞ」
と笑わせてくれる陶芸も、あってもいいのだ。

 桝本佳子の作品は、これまでの陶芸の歴史を否定した上で新たな試みをしたとか、他のジャンルに寄せていったとか、そういう方向性ではなく、従来の陶芸を踏まえた上で、それをちょっと変えて、その上で新たな作風を生んでいると思われる。




2019年秋の旅さくいん

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